電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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2015/4/30(2140号)主なヘッドライン
14年半導体市場、成長率トップは台湾
TSMCとMTKが牽引、ファンド追い風に中国も存在感

 本紙集計による2014年の世界半導体市場(IDM/ファブレス/ファンドリー/OSATの合算)は、前年比11%増の3893億ドルとなった。モバイル機器や自動車、産業機器向けを中心に需要が堅調に推移し、13年、14年と2年連続で高い成長を記録することとなった。地域別で成長率トップは台湾となり、改めて市場での存在感を示した。また、政府系ファンドを設立し、国を挙げて半導体産業の育成に取り組む中国も台湾に次ぐ成長率を見せており、資金拠出の効果が出始める16年以降はさらなる成長が見込まれている。

 地域別トップの台湾は、IDMを除くファブレス、ファンドリー、OSATの有力企業が多く存在していることもあり、前年比19%増と高い伸びを記録した。とりわけファンドリー最大手のTSMCは、既存顧客に加え、米アップルの受託生産を新たに獲得するなど、14年後半からはその成長スピードを一段と速めた印象だ。ファブレスではメディアテック(MTK)が既存事業の拡大に加えてエムスターの買収で売り上げを大きく伸ばしたほか、ASEやSPILなどのOSAT勢が貢献した。
 市場の約半分を牛耳る北米も同12%増と2桁台の成長を記録。世界最大手インテルの成長率は市場平均を下回ったものの、クアルコムのほか、アバゴ・テクノロジー、スカイワークスなどは急拡大を遂げた。両社に共通するのは、アンプやスイッチ、フィルターなどのRF部品を主力事業としている点。スマートフォンの登場でRF部品市場拡大の恩恵を最も受けているグループといえる。
 同様に韓国もサムスン、SKハイニックスという2大企業に支えられ、10%近い成長を記録した。とりわけ、14年はSKハイニックスがメモリー市況の好調を受けて高成長。一方で、サムスンはロジック部門の不振もあり、やや小幅な成長にとどまった。
 日本は円安による為替の影響もあって、14年の成長率は前年に対し横ばいにとどまった。ただし、日本円基準で見ても、上位11社の14年度成長率は前年度比6%増にとどまっており、CMOSセンサーが主力のソニー、パワーデバイスの三菱電機を除けば、横ばい~微増という企業がほとんどである。
 地域別シェアでは約3%と、まだまだ存在感は大きくないものの、中国も前年比13%増と台湾に次ぐ成長率を見せた。ここ数年で顕著なのは、ファブレス/OSAT勢の躍進だ。ファブレスでは、ファーウェイ傘下のハイシリコンがすでに20億ドルを超える事業規模となっているほか、OSTAでも長電科技(JCET)を擁する江蘇新潮科技集団、天水華天電子集団などが高い伸びを見せた。
 今後、政府系ファンドの資金拠出を追い風に、ファンドリー分野でも再び攻勢をかけていくほか、BOEのようにDRAM参入を計画する企業も出るなど、半導体業界においては、今後話題に事欠かない地域となりそうだ。

(以下、本紙2015年4月30日号1面)



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