電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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2015/3/19(2134号)主なヘッドライン
IGBT、車載巡り主導権争い激化
300mm武器に東芝が本格参入、三菱、富士は投資戦略で岐路

 ハイブリッドカー(HEV)など環境対応車の需要拡大を受け、車載用パワーモジュールのキーデバイスとなるIGBTの主導権争いが激化している。自動車は信頼性評価などが長期にわたるため、現在の投資計画や商談は2018~19年を見据えたものであり、水面下で激しい綱引きが行われているもようだ。今後、台風の目となるであろう東芝の本格参入を前に、既存メーカーも次期戦略の構築に動いている。IGBTを取り巻く現在の市場環境や投資動向を追った。

 自動車業界では、世界各国での燃費規制や環境規制の強化を背景に、従来の油圧制御から電動モーターへの置き換えが急速に進んでおり、クルマ1台あたりのモーター搭載数は大きく増えることが確実視されている。モーター制御には必ず、PCU(パワー・コントロール・ユニット)が必要となり、このPCU内には電力変換用デバイスとしてIGBTが搭載されている。
 矢野経済研究所の最新統計によると、パワーモジュールの世界市場は15~20年の年平均成長率を12%、20年には約80億ドルの市場を形成すると予測している。とりわけ高い伸びを見込んでいるのが車載用だ。
 現在、車載用IGBTモジュールで強みを発揮しているのが三菱電機と富士電機の日系勢。トヨタ自動車の「プリウス」を筆頭にHEVの多くにIGBTモジュールを供給しているが、今後そこに割って入ると目されているのが東芝だ。
 東芝はもともと04年にIGBTを中心とする大容量モジュール事業を三菱電機に売却した関係上、車載市場への参入は制約が伴っていた。しかし、その制約条件が14年10月に失効しており、現在は本格進出に向けた動きを強めている。

(以下、本紙2015年3月19日号1面)



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◇ NTTコミュニケーションズ、独DC企業を買収 欧州3位の規模に
◇ SMIC 15年投資、1.5倍の15億ドル計画、300mm新棟や28nm立ち上げ
◇ マイクロン、シンガポールを拡張、3D-NAND量産へ
◇ ウィンセミ 15年投資、30億台湾ドル計画 新棟や工程強化に
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◇ ロジャース 14年度、高周波材が成長牽引、15年投資額は3800万ドル
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◇ 日清紡メカトロニクス、ハイブリッドPV開発、発電と熱温水を両立
◇ JSR、LiC新工場竣工 6月から出荷開始
◇ 日本マイクロニクス、先端ロジックが貢献、17年度に売上の4割へ
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