電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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2014/7/2(2098号)主なヘッドライン
中国のIGBT、国産化体制 さらに拡大
自給自足で2桁成長継続、HHグレースや科達半導体が先行

 これまでパワーディスクリート中心だった中国のパワー半導体製造は、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)の量産にシフトしている。人件費やエネルギー価格の上昇による省エネ需要の喚起が背景となっている。IGBTなどパワー半導体を専業とする中国資本のファブレスやOSAT(Out sourced Semiconductor Assembly and Test)が生産量を増やすなか、200mmウエハー対応のIGBT工場も稼働を拡大している。

 中国はこれまでの10年間、「世界の工場」として家電製品や自動車、産業機械などの製造を拡大した。これらの製品の生産増に伴い、電源ユニットの需要も右肩上がりで上昇。パワー半導体市場は2桁成長を続けている。中国のパワー半導体市場は2015年には330億元(約5450億円)に拡大する勢いだ。
 近年は人件費やエネルギー価格の上昇が経営や生活を圧迫し、省エネに対する意識が高まっている。中国政府は12年に「節能恵民」というエコ家電補助金制度を実施し、エアコンや冷蔵庫などに多額の補助金をつけた。これが追い風となり、エアコンは年間5000万~6000万台の販売のうち、インバーター化率が50%まで上昇した。産業界もまた、生産現場の省エネ化を推進しており、電力使用を効率化する汎用インバーターの導入が拡大している。このほかにも工場での太陽光発電やLED照明の利用も増え、パワー半導体の需要は拡大の一途を辿っている。
 エアコンや電気自動車(EV)、高速鉄道車両、大型発電所など向けのIGBTは日本やドイツなどからの輸入品が大半を占めているが、中国でもミドル/ローエンドのIGBTの国産化が進んでいる。インバーター式の工業用溶接機やIHクッキングヒーター(電磁調理器)などで使われるIGBTは、IC設計からチップ製造、パッケージ組立まで国産サプライチェーンを確立し、自給自足の体制を整えている。

(以下、本紙2014年7月2日号1面)



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