電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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2014/6/4(2094号)主なヘッドライン
車載用基板、年5%で安定成長
ECU 貫通・両面が主流、ミリ波レーダー用など新市場も

 ハイブリッドカー(HEV)や低燃費車の普及に伴い、自動車の電装化比率は上昇の一途だ。エレクトロニクスコントロールユニット(ECU)搭載数量も拡大が見込まれ、このため車載基板市場は安定して伸長する見通しだ。先進運転支援システム(ADAS)搭載車両などの販売も好調で、特に衝突被害軽減ブレーキシステムの主要センシングデバイスであるミリ波レーダー向け高周波対応基板など、新たな市場が盛り上がりを見せている。注目の車載基板市場の動向を追う。

 トヨタや日産など国内自動車メーカーの生産台数が順調に拡大している。2013年の世界自動車販売台数は8400万台強(富士キメラ総研調べ)と見られ、18年には1億台に迫る見通し。先進国での飛躍的な販売増は見込めないが、中国などの新興国では販売台数が確実に伸びていく。
 さらには、ミリ波レーダーやカメラを搭載して、前方車両との安全な距離を確保しながら安定走行したり、事故回避自動操作システムなどのADAS搭載車両の販売も好調で、これらが高性能な電子システムの搭載を後押ししている。一部でECU統合化の動きがあるものの、安全面や低燃費化など環境性能の向上により、ECU搭載数量のほうが販売台数よりも伸び率が高いとされる。また、車々間通信や車内ネットワークも高度化・高速化するため、こうしたECUの数も増えると見られる。

■安全確保と低コスト化の両立が最大の課題に
 ECU向けメーンボードの市場規模は、「走る」「曲がる」「止まる」と形容されるクルマの主要な働きをこなす重要保安部品用途に限定すれば「5000億円前後」(業界関係者)とみられる。ここにAV(オーディオ・ビジュアル)やカーナビゲーション向けの基板市場を含めれば、7000億円前後になる。今後も年率5~6%増の堅実な拡大が見込まれるが、車載基板特有の難点もある。
 それは、長期にわたる品質保証体制ならびに自動車メーカーやTier1などの電装系メーカーからの低コスト化要求だ。人の命を預かる自動車では万が一、不具合を出した時の企業へのダメージが計り知れない。継続的かつ弛まぬ安全性管理を徹底して行い、頻繁にある工場監査に対応しなければならない。コストダウン要請も厳しく、それを実行できる基板メーカーの「基礎体力」には相当な頑丈さが求められている。

(以下、本紙2014年6月4日号1面)



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