電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
新聞情報紙のご案内・ご購読 書籍のご案内・ご購入 セミナー/イベントのご案内 広告のご案内
2014/5/14(2091号)主なヘッドライン
OSAT、中国LTEスマホで投資再開
後工程装置の受注急拡大、長電、天水など中国勢も躍進

 パッケージやテストなど半導体後工程を受託するOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly & Test)企業の設備投資がここにきて上昇基調にある。足元では中国で2013年末から4G通信(TD-LTE)のサービスが開始されたことを受け、LTE対応ベースバンド(BB)チップの需要増に備えたテスター投資が活況を呈しているほか、パッケージ分野でもフリップチップ(FC)などを中心に能力増強に向けた装置発注が加速している。一方で、ASEやSPILなど台湾勢が上位を占めるOSAT業界において、中国メーカーの勢いも急速に増してきており、今後数年で勢力図が変わる可能性も出てきた。

 14年のOSAT設備投資額総計は、年初段階では前年比5.6%減の36.7億ドルが計画されていた(図1参照)。銅(Cu)ワイヤーなどの低コストボンディングの投資が一服したことが主な減少要因で、主要各社の投資額を見ても、前年並みもしくは微減というところが大半であった。
 だが、1~3月期決算を受け、上位各社は一気に強気の姿勢に転じている。最大手の台湾ASE(日月光半導体製造)は年初計画の7億ドルを9億~9.5億ドルに上方修正。米アムコー・テクノロジーも4.5億ドルから5.75億ドルに投資額を引き上げた。これに伴い、14年OSAT投資額は現時点で年初予想比12%増の41億1500万ドルになった。
 投資額引き上げの理由の1つとされているのが、LTEサービス導入に沸く中国スマートフォン(スマホ)の活況だ。中国のスマホ市場は14年に4.3億台前後を出荷すると見られ、このうち最大で25%(1億台強)がLTE対応スマホに切り替わると予測されている。低価格が前提の中国市場ではLTEスマホといえども1000元(約1.6万円)が主戦場と目されており、予想以上のスピードで普及する可能性が高い。こうした流れのなかで、チップベンダー各社はTD―LTE対応のBBチップやアプリケーションプロセッサー(AP)を準備し、市場の本格拡大に備えている。

(以下、本紙2014年5月14日号1面)



◇ インターシル、14年投資1500万ドル、自社工場強化に注力
◇ スタンレー電気、宮城で移転新築 自動車用も想定
◇ イノテラ、14年投資を増額 20nm増産加速
◇ 富士通セミコン 13年度、増益で黒字に転換、三重300mmは「当面維持」
◇ パナソニック、SAW事業を分社化、スカイワークスに譲渡
◇ 日本電産、小型モーター強化、新規分野への参入加速
◇ ITRIとテムザックら、医療ロボ共同開発、自動車より多い半導体消費
◇ トーメンデバイス 13年度、メモリーが大幅増収、14年は4K液晶に期待
◇ サンヨー工業、インフラ関連が好調、ミリ波の開発案件増加
◇ サムスン電機 1~3月期、FCCSPが低迷、MLCCは好調維持
◇ 日立化成、つくばでCR拡張 実装材料を強化へ
◇ JSR 14年度、電子材料 5%増収、液浸レジスト拡大が寄与
◇ 東京エレクトロン 1~3月期、SPE受注高8%増、14年度予想 上期のみ開示
◇ アドバンテスト 14年度、売上高3割増を計画、4~6月受注は最大450億円に
◇ 装置売り上げランキング、13年市場は9.7%減、VLSIリサーチ調べ
◇ CSOT、武漢に6G新工場、有機EL量産も視野に
◇ SCIVAX、大面積NILを開発、光学フィルムなどに拡大
◇ 日本板硝子、薄板ガラスライン ベトナムに新設
◇ サンパワー 1~3月期、増収で黒字に転換、新工場は15年に稼働
◇ エヌ・ピー・シー、モジュール受託好調、増産など事業拡大検討
◇ 日立マクセル、マイクロ電池増強、4カ年で40億円投資
サイト内検索