電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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2014/2/12(2078号)主なヘッドライン
STT-MRAM、垂直磁化で大容量実現へ
11nm素子で初の動作実証、電圧による磁化制御も検討


 次世代メモリーの有力候補と目されるMRAMは、磁気素子における電子のスピンをメモリーとして用いるため、材料の劣化がなく、書き換え回数は事実上無限の不揮発性メモリーだ。高速化によるSRAM代替、大容量化によるDRAM代替など巨大市場が視野に入るため、日米韓の主要メモリーメーカー、研究機関、装置・部材メーカーを巻き込んだ開発競争が繰り広げられている。東北大が2013年11月に開設した国際集積エレクトロニクス研究センターの産学コンソーシアムには、エルピーダメモリを傘下に収めた米マイクロン・テクノロジーやルネサス エレクトロニクスなど日米半導体開発関連企業20社が参加する予定で、今後のMRAM開発の中心拠点の1つとして大きな役割を担っていくと期待される。

■製品展開は1社のみ
 周知のとおり、現在実際にMRAMを製品として展開しているのは、米エバースピン・テクノロジーズ社の1社のみだ。同社が12年末に発表した第2世代品「64MビットSTT-MRAM」(面内磁化、90nmプロセス)は、磁気素子に直接電流を流すことで、電子スピンで可動磁性層の磁化方向を変える「スピン注入磁化反転」(STT)を書き込み方式に採用。書き換えに必要なアクティブ電流を従来から大幅に低減した。
 13年11月には、横浜で開催されたエンベデッド・テクノロジー展において、バッファロー・メモリーがキャッシュメモリーにこのSTT-MRAMを採用したSATAIIISSDを展示するなど、製品展開で大きく先行している。

■東芝が14年にサンプル出荷開始
 製品化でエバースピンが先行するなか、14年に注目されるのが、東芝がサンプル出荷を開始するとしている垂直磁化型のSTT-MRAMだ。
 同社はこれまで産総研と非常に緊密な関係を構築し、MRAMの開発を推進してきた。11年7月にはSKハイニックスとの共同開発にも合意し、韓国・利川にある同社の研究施設に技術者を派遣している。

(以下、本紙2014年2月12日号1面)



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