中国レガシー半導体工場、21年は月産15万枚拡張
半導体不足で商機拡大、国産装置の採用率向上
パワー半導体やディスプレードライバーIC(DDIC)など半導体の供給不足が深刻化しているなか、これらの半導体製造に適したレガシー半導体工場の投資が中国で活発化している。2021年には合計15万枚もの装置導入が計画されている。
20年末から半導体不足が世界的な問題となり、パワー半導体、DDIC、CMOSイメージセンサー(CIS)などの不足が目立つ。これらは200mm、300mmであれば90~55nmというレガシー技術で十分製造できるが、IDMやファンドリーは、先端投資に集中してきたため、能力不足を短期で解消するのは難しい。根本的な解決にはレガシー半導体工場の能力を増強するしかない。
TSMCは20年後半、15年ぶりに200mm工場の設備投資に着手した。中国ファンドリーもレガシー半導体工場の増強を加速していている。21年には15工場が月産能力ベースで合計15万枚の設備投資を計画している。このほかSKハイニックスが韓国・清州工場(M8)から200mm生産ライン(月産12.5万枚)を江蘇省無錫市に移設中だ。
SMICは米国の制裁で10nm以下に投資できなくなり、相対的にレガシー投資が増えている。21年は天津200mm工場に月産2万枚、広東省深セン工場に1万枚、浙江省の紹興工場に2万枚の装置を導入する。これで3工場の月産能力は合計約20万枚に到達する。
華虹集団は、上海市嘉定区に300mm対応のプロセス開発と量産ラインを併設するHH―CICEMを建設している。20年末に杭打ち工事を完了。
(以下、本紙2021年3月11日号1面)
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