EV市場、新規参入が再加速
産業構造にも大きな変革、25～30年に3600万台規模
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コロナ禍により、2020年の世界新車販売台数は、前年比14％減の7766万台となった（英調査会社調べ）。自動車業界には依然として厳しい逆風が吹いた状況ではあるが、一部のメーカーでは販売を大きく伸ばした車種がある。それが電気自動車（EV）だ。トップシェアを持つテスラは同36％増の50万台を出荷し、VWも前年比3倍以上となる23.2万台を販売。EVの最大市場である中国、消費者の環境意識の高い欧州向けを中心に大きな成長を果たした。 年末から年明けにかけて、OEM各社の減産が一斉に報じられた。ホンダをはじめ、トヨタ自動車や日産自動車が当初計画に対して生産が下回る見込みであることに加え、海外のフォルクスワーゲンも12月18日付で、「大手半導体メーカーが製品供給をコンシューマー市場に割り当てた結果、自動車業界は現在深刻な電子部品の不足に直面している」とコメント。北米、欧州、中国での完成車生産に影響が出るとしていた。
新型コロナが猛威をふるい始めた20年2月以降、需要の急減や世界各地のロックダウン（都市封鎖）の影響で、自動車メーカーの組立ラインも一斉に停止。半導体調達にも調整が入った。一方で、自動車よりも早くスマホやパソコン、家電製品向けの需要が立ち上がったことで、半導体メーカーはこれら分野に製品供給を優先した。
ここ数年、環境規制の強化を受け、ガソリン車の販売中止・電動車の導入拡大目標が各国で相次いで打ち出された。例えば、中国では25年までに新車の25％を新エネルギー車へ、ドイツは30年までに電動車1000万台の販売目標を掲げている。なかでもEVは、環境基準達成のキーテクノロジーとみられ、政府の補助金政策などを背景に、25～30年には3600万台規模にまで急成長すると予測されている。このため、既存の大手自動車メーカーに加え、多くのベンチャーや異業種からの新規参入が再び活発化し、激しい開発・販売競争を繰り広げている。
先ごろ新規参入を明らかにしたのが、中国検索エンジン最大手である百度（バイドゥ）だ。自動車メーカーの浙江吉利控股集団（Geelyホールディングス）と戦略的パートナーシップを締結し、インテリジェントEVを製造するための合弁会社「百度汽車」を設立する。
百度は、17年に自動運転車の主要な機能をサポートする自動運転基盤「Apollo」（アポロ）を立ち上げて以降、“自動運転のAndroid”を目指した技術開発を進めてきた。20年10月には自動運転タクシーの試乗サービスの提供を開始するなど、自動運転レベル4の本格実用化では一歩抜きん出ていたが、今回EVの製造にまで踏み込んだことで、その存在感が一気に高まった。
（以下、本紙2021年2月4日号1面）
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