電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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2013/6/5(2043号)主なヘッドライン
FCCSP基板、参入メーカー相次ぐ
15年に2000億円市場へ、価格の急落懸念も

 スマートフォン(スマホ)やタブレット端末などに搭載されるアプリケーションプロセッサー(AP)のフリップチップ・チップスケールパッケージ(FCCSP)基板市場が注目されている。業界関係者によると、同市場はすでに1000億円前後に膨らんでおり、2年後には2000億円規模まで倍増するとの見方が有力だ。FCCSP基板には、セミアディティブ工法(SAP)や部品内蔵技術が適用されるなど、先端技術の塊でもある。一方で、国内外の関連企業はこの有力市場をめぐり、相次いで本格参入を表明。市場が一気に立ち上がる15年前後を境に、製品価格の急落も懸念される。

 高性能なAPチップを搭載するパッケージ基板であるため、最新のパソコン用MPU基板に匹敵した配線引き回しなどの細線化が要求され、製造技術の難易度がますます上がっている。投資体力の問題もあり、現状ではイビデンをはじめ韓国サムスン電機、台湾キンサスといった、限定された基板メーカーしか供給できていない。
 スマホやタブレットなどのモバイル端末は2013年も高成長が期待され、特にタブレットは前年比倍増近い2億台(ガートナー調べ)まで拡大する。スマホも前年比3~4割の高成長を持続すると見られる。このため、FCCSP基板も大幅な数量増が期待される。今後はローエンドスマホやメモリー用途のFCCSP基板需要が本格的に立ち上がるとみられ、新規参入組を含めて熾烈なシェア争いが展開されそうだ。

■中国ローエンドスマホが牽引か
 13年のスマホ市場は前年比3~4割増の9億台まで拡大するとの見方が出ている。予想以上に中国ローカルメーカーのスマホ増産意欲が高いとされ、エレクトロニクス機器全般が低迷するなか、このローエンドスマホが基板業界にとっては救世主に躍り出る可能性が出てきている。

(以下、本紙2013年6月5日号1面)



◇ 中国政府、補助金制度を拡充、独立自家発電に給付金
◇ インフィニオン、熱伝導材料を開発、後工程工場に新ライン
◇ ウィンセミコンダクター、ウエハー能力を増強、GaAs 6インチ2.4万枚に
◇ イノテラ・メモリーズ、30nmシフト進む、年央までに90%切り替え
◇ 旭化成、富士に試作ライン、UV-LED事業化へ
◇ 新日本無線、構造改革で収益急回復、損益分岐点売上高も低下
◇ 浜松ホトニクス 光半導体、今期は成長横ばいに、MEMSなど新製品投入
◇ メガチップス 13年度、売上高17%増を計画、統合・新製品が寄与
◇ マグナチップ 1~3月期、ファンドリーが伸長、ホールセンサー参入へ
◇ レノボ、スマホの販売を拡大、13年は7割増の5000万台
◇ アルティマ、32ビットMCU拡販、エナジー・マイクロ製
◇ TCL、白物家電工場 合肥に新設
◇ 日産化学工業 13年度、配向材料4%減収に、韓国で増強投資着手へ
◇ 液晶露光装置 1~3月期、出荷台数が半減、年間市場は70~80台に
◇ 日本電気硝子、13年度投資500億円、韓国拠点立ち上げなど
◇ 旭硝子、直貼りカバーガラス、液晶の表示品質向上
◇ 半導体製造装置 国内主要9社、装置受注高 18%増、メモリー投資が大きく好転
◇ 天通HD、サファイアを量産、KY法でC軸垂直成長
◇ AMAT 2~4月期、半導体受注高14%増、メモリー需要増で予想上回る
◇ NOK 13年度、FPCは10%増収、スマホ・自動車向け伸長
◇ 住友ベークライト 13年度、半導体材料21%増収、中国市場を重点強化
◇ サンヨー工業 13年度、5%成長目指す、通信・計測関連が牽引
◇ LiB企業動向 1~3月期、国内生産額 15%減、車載用は4%減
◇ GSユアサ 13年度、LiB投資90億円、HEV用増強が中心
◇ JST、排ガスで発電に成功、FCと熱電変換素子で
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