日系車載用基板市場が堅調に推移している。中国をはじめ世界の自動車販売が減速するなか、エコカー需要や安全運転支援システム（ADAS）の普及で、1台あたりの電装化率が向上、基板関連の売上高が増加傾向にあるためだ。しかし、世界の“基板工場”となった中華圏との競争が待ち受けており、高信頼性・重要保安部品領域にいかにシフトできるかが、勝敗のカギを握りそうだ。一方、中国・武漢市を震源地とする新型肺炎の影響が深刻化しており、今後の状況次第では、車載基板市場へのダメージも危惧される。

　世界車載基板メーカートップ5社の2019年度車載基板売上高は、自動車販売市場の3割を握る中国市場の減速や欧州での販売低迷で、前年度比微減の3035億円にとどまりそうだ。しかし、日系メーカー3社の売上高は過去3年間では拡大傾向にあり、健闘が目立つ。高信頼性が要求されるADAS向けなど、車の電装化率の向上に支えられ、追い風が吹いている。

---

自動車産業・部品
トヨタ自動車、米国生産拠点を刷新、合計13億ドル投資
日本電産、420m検知の新型アンテナ、導波路損失を改善
茨城県境町とSBドライブら、自律走行バスを運行、4月から公道で初導入
日本電産、E-Axleを拡充、50kW品を22年に量産へ
ボルグワーナー、電動の効率化に重点、展示会に新iDM展示
IT・半導体産業
ソニー I＆SS事業、通期見通し上方修正、フル稼働で在庫積めず
富士通、半導体事業を再編、会津子会社に資源集約
STマイクロ、20年投資は15億ドル、過去10年で最高水準
AMD、19年は4％の増収、売上高 過去最高を記録
インテル、通期売上高2％増、モービルアイが26％増
プリント回路・実装
景旺電子、珠海に大型基板工場、FPC・SLPを量産へ
ディスコ 1～3月期、出荷高は17％増予想、台中OSATが投資再開
LGイノテック 19年12月期、基板事業が低迷、カメラモジュール好調
デクセリアルズ 4～12月期、電子材料は11％増益、粒子整列型ACFが好調
RSコンポ、高機能基板CAD、低価格で永久使用
液晶・ディスプレー
日新イオン機器、FPD用イオン注入装置、生産性を20％向上
サムスン電子 DP事業、10～12月は減収減益、QD-OLED投資開始
iBeamマテリアルズ、FET形成に成功、マイクロLEDに応用へ
ジャパンディスプレイ、いちごから出資確保、有機EL投資に55億円
HDMS、PI特許を維持、フレキ基板向け
電池・新エネルギー
LONGi、モジュールで最高効率、ウエハーなど増産加速
20年のPV導入量、14％増の142GWに、欧米やインドが成長、IHSマークイット調べ
リニューアブル・ジャパンら5社、長期安定供給へ、再エネ協会発足
リコー、IJ法でLiB製造、全固体への応用も視野
太陽誘電、電池2製品を投入、全固体は20年度製品化へ
製造装置・部材関連・FA
アドバンテスト、今期2度目の上方修正、メモリー向けも回復
SCREEN 19年度、営業利益半減に、操業度低下など影響
シンフォニアテクノロジー、クリーン搬送機器工場、増築棟を3月稼働
日立製作所、ハイテクにTOB、5300億円で
ピコサン、3Dキャパシタ、高性能化に成功
医療・航空・ロボット
ヤマハ発動機、協働ロボVBに出資、製品群・提案力を強化
ウォルマート、ロボの店舗運用開始、商品ピック作業を効率化
ゲッコー・ロボティクス、4000万ドルを資金調達、検査用ロボ事業を強化
バーチャル・インシジョン、2000万ドルの出資獲得、小型手術ロボを臨床
京セラとブルーイノベーション、ドローン利用の移動通信中継局
一般電子部品
三星ダイヤモンド工業、加工装置を本格展開、電子部品を新たな柱に
富士フイルム、磁気テープの最新動向紹介、13世代以降は新材料を検討
京セラ 4～12月期、部品事業は3％減収、自動車減速の影響大
TDK、直流安定化電源の新製品、小型軽量要求に対応
アリベール、小型匂いセンサー、20年後半に発売へ

---

日本半導体産業 激動の21年史（2000年～2020年） No.49
2010年（第1回）鳩山内閣、あっけなく崩壊
日本で活躍する韓国ITベンチャー No.6
フリットジャパン（株） 代表取締役社長 冨山亮太氏に聞く
半導体立国を支える熊本企業 No.4
オジックテクノロジーズ

---

インタビュー
（株）アクセル 代表取締役社長 松浦一教氏
TSMCジャパン（株） 代表取締役社長 小野寺誠氏
ABB（株） ロボティクス＆ディスクリート・オートメーション事業本部
　　 事業本部長 中島秀一郎氏