2018年の電子デバイス業界は上期の好調から一転、下期は悪材料が重なる事態となり、上・下期で様相が大きく異なる展開となった。半導体分野ではメモリー市況の悪化に伴い、設備投資を控える動きが強まったほか、電子デバイス業界全体では米中貿易摩擦の懸念が暗い影を落とす。19年の見通しは不確定な要素が多く、関連企業各社も難しい舵取りを迫られている。

　17年の好調をそのままに、半導体業界は上期までは順風満帆といえる状況で推移していた。メモリー需要の拡大を背景に、主要半導体メーカーの投資意欲も旺盛で、製造装置メーカーの業績見通しは強気なものが並んだ。
　しかし、アマゾンやグーグルといったITプラットフォーマーの調達がもともと過剰気味であったことに加え、データセンターなどの投資計画が一部先送りとなったことで、需給バランスが悪化。いち早く最大手のサムスン電子がDRAM投資の延期を決めたことで、風向きは一気に変わることとなった。
　その後、東芝をはじめとする他企業もこれに追従する動きを見せ、DRAM、NAND双方で相次いで投資計画が見直されるかたちとなった。少なくとも19年上期までは半導体投資サイクルは低調に推移するとみられており、下期に反転が現状のベストシナリオだが、業界内では悲観的な見方が少なくない。

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自動車産業・部品
アウディ、再編・強化を加速、総額400億ユーロを投資
オン・セミコンダクター 車載センサー戦略、800万画素品を市場投入、
　　19年末～20年に量産車搭載
タムラ製作所、昇圧リアクター増強、環境車対応で能力3倍に
OKIなど6社、セルラーV2X、実証実験に成功
ティアフォー、自動運転用OS、業界標準目指す
IT・半導体産業
PFN、DL用チップを開発、世界最高級の電力性能
アイポア、阪大ファンドが出資、粒子センサー事業強化
住友電工、新SiCデバイス、世界最小オン抵抗
19年半導体市場、2.6％増の4901億ドル、メモリーはマイナス成長
19年の韓国経済、半導体市況の低迷で減速懸念、
　　経済成長率は2.5％にとどまる
プリント回路・実装
ヤマハ発動機 ロボティクス事業、21年にROS26％へ、SMT・FA分野を開拓
ドウシシャ、オリオン電機から基板設計事業取得
世界のPCB産業、17年は14％成長に、、IPC報告書
キヤノン、後工程i線露光機、0.8μmに対応
三井金属 極薄銅箔、中国で市場開拓、専門部署を開設
液晶・ディスプレー
中華映管、民事再生手続き申請、液晶価格下落で経営悪化
ジャパンディスプレイ、Arm子会社と協業、センサーの製品化加速
CSOT、深センで10.5G稼働、19年に月産12万枚へ増強
エスケーエレクトロニクス 18年9月期、過去最高業績を達成、10.5G向けが寄与
コーニングジャパン、カバーガラスが好調、模様のある裏面ガラスも
電池・新エネルギー
LiB主要メーカー 7～9月期、4社すべて増収に、EVやスマホ向け好調
トリナ・ソーラー、ロボット事業を加速、日本でも掃除用に提案
アルタ・デバイセズ、GaAsで29％超、単接合で世界最高効率
東洋紡、欧州の浸透圧発電、新水処理膜が採用
カナディアン・ソーラー、南米でPV発電所、建設へ資金を調達
製造装置・部材関連・FA
昭和電工 SiCエピウエハー、18年売上は約3倍に、車載OBCで本格採用
クラボウ、二軸延伸PEEKフィルムの量産開始、5G通信機器向けへ用途展開
富士フイルム、米2工場で設備増強、半導体材料の事業拡大
昭和電工、電子材料用高純度ガス、年率15％成長目指す
日本ガイシ、4インチGaNウエハー、18年度内に試供開始
医療・航空・ロボット
オーリス・ヘルス、2億ドル超を調達、内視鏡ロボ事業を強化
テレイグジスタンス、資金調達を実施、エアバスVCらが出資
AWS、支援サービスを開始、ロボットアプリ開発で
ローム・ロボティクス、1200万ドルの出資獲得、外骨格ロボ事業を拡大
アスラテック、歩行練習用機器でロボシステム採用
一般電子部品
USound、2000万ドルの出資獲得、MEMS製品を拡販へ
SMK、車載市場で反転攻勢、下期は黒字化目指す
RMIT大学、高感度センサー開発、高純度グラフェンを採用
ワシントン大学、超小型センサー開発、蜂に搭載し農業で活用
パラマウントベッド、東大の染谷教授とセンサー会社設立

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『一心千里』 ～走っていれば、見えてくる 永田 隆一 No.111
自分で人生の舵を取るときは「ラッキー、ツイテル、ありがとう」
『深慮遠謀』IoT事業戦略 No.31
ラティスセミコンダクター エリア テクニカル マネージャ 埼田寛明氏に聞く

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インタビュー
（株）エム・ディー・システムズ　代表取締役社長　名屋精一氏
（株）Yoki　代表取締役CEO　東出風馬氏