電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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2017/9/14(2262号)主なヘッドライン
FPC市場、安定成長期に突入
スマホ・車載向けが牽引、銅箔・FCCL増産も相次ぐ

 フレキシブルプリント配線板(FPC)市場が大きく拡大するとの見方が浮上している。スマートフォン(スマホ)の高機能化の流れが加速していることで、FPCの採用点数の増加や多層化といった高付加価値化が牽引する。電装化が進展する車市場も支える。2020年までは年率7~8%増と安定成長が期待され、FPC向け銅箔など関連部材の増産も目立つ。一方で、セットの大きな機能変更などにより、既存のサプライチェーンの刷新につながったり、新規参入の動きも出てきた。足元の動向を追った。

 17年はスマホが世に出て10年目の節目となるため、市場開拓者のアップルは新型iPhoneで大幅な機能向上やデザインの刷新を図ろうとしている。有機ELパネルを主画面に据え、無線急速充電や顔認証といった新機能を随所に詰め込む。搭載されるFPCは、従来の液晶モデルタイプで15~18点、有機ELモデルは20点以上と、業界関係者は分析する。

■RF基板で韓国勢が台頭
 有機EL搭載の新型iPhoneには、リジッドフレキ(RF)基板が採用され、韓国勢のサプライチェーンの台頭が著しい。
 メーカー筋によれば、5層リジッド+3層FPC構造で、2点採用される。採用は「コストと有機ELサプライヤーの意向」がカギを握ったといわれている。
 好機とみた韓国勢は昨年来、専用ラインを立ち上げ量産を始めたものの、歩留まり管理で手こずっているもようだ。いずれも実績のあるインターフレックスをはじめ、ヨンプーン、サムスン電機、BHが主要ベンダーに名前を連ねている。
 こうした機能やデザインの刷新は、FPC市場で優勢を誇る日系FPCメーカー(日本メクトロン、住友電工、フジクラなど)の存在を徐々に脅かす可能性もある。このままRF基板が業界標準となれば、確実に一部の市場を失うことになるからだ。しかし、今後はピュア・フレキの可能性も残っており、次世代モデル以降で日系勢の巻き返し策も注目されるところだ。実際、住友電工は、SAPなど微細な回路形成の量産技術の確立を狙って新ラインを立ち上げ中とみられ、日系各社は次世代開発にも余念がない。

(以下、本紙2017年9月14日号1面)



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