電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
新聞情報紙のご案内・ご購読 書籍のご案内・ご購入 セミナー/イベントのご案内 広告のご案内
2015/11/26(2170号)主なヘッドライン
スマホ用カメラ、16年は「複眼化」元年
上位3社が旗艦機種に採用、主要部材は大型投資で対応

 2016年からスマートフォン(スマホ)のメーンカメラにCMOSセンサーが2個以上搭載される「複眼化」が本格化する。早くから業界で指摘されていたアップルの16年モデル「iPhone7」が大きな節目となるが、先んじて韓国サムスン電子や中国ファーウェイといった競合メーカーも複眼モデルを市場に投入する予定だ。CMOSセンサーやアクチュエーター、レンズなどの主要部材メーカーは複眼化需要に対応すべく、急ピッチで増産投資を進めており、湿りがちな昨今の電子デバイス市場に明るい話題を提供している。

 複眼化のメリットは大きく2つあるとされており、1つはカメラ性能の向上、もう1つが筐体の薄型化だ。カメラ性能の向上では、画像処理機能を駆使したピントの後合わせや感度向上、オートフォーカス(AF)速度の向上、一眼レフのような「絞り」を実現できるとされている。
 スマホ各社が複眼化に傾注するもう1つのモチベーションが筐体の薄型化だ。高画素化に伴い、カメラモジュールの高さが筐体厚みの制約条件となっており、スマホ各社ではこれを解消するために複眼化を推進しようとしている。アップルでは、現行の「iPhone 6S」などで筐体厚みよりもカメラモジュールの厚みが優っており、カメラ部が突起するデザインになってしまっている。
 16年の「7」では複眼化への移行でこれを解消しようとしている。具体的には5.5インチモデルの「Plus」のみ複眼モデルに切り替える予定で、それぞれ1200万画素と800万画素のCMOSセンサーを搭載する見通しだ。
 アップルが16年9月発売とされる新モデルで複眼化を図る一方で、競合メーカーは一足早く市場投入を開始することになりそうだ。ファーウェイは14年末に旗艦モデル「Honor 6 Plus」で複眼モデルを初めて発表したほか、サムスン電子は16年初頭からの市場投入が予定される「Galaxy S7」で複眼化を図る見通しだ。スマホ上位3社がいずれも旗艦モデルで複眼化を図るなか、16年のスマホ出荷台数のうち、約1割の1.6億台前後が複眼モデルとなる見込みだ。

(以下、本紙2015年11月26日号1面)



◇ 加賀電子とUKC、経営統合に合意 国内最大商社へ
◇ 日本ゼオン、単層CNTの量産開始、自動車への応用視野に
◇ インフィニオン、ミリ波レーダーで攻勢、年間出荷 1000万個視野
◇ テスラモーターズ、15年設備投資を増額、新SUVの生産体制強化
◇ 新日本無線、上期は増収増益、営業利益は6割増
◇ ソニー 半導体事業、7~9月期は増収、生産トラブルで通期修正
◇ Planetway、グローバルSIM販売、低価格の通話・通信実現
◇ クアルコム 820プロセッサー、DWが60件以上に、16年度後半に本格寄与
◇ メディアテック、16年後半に16nm投入、スマホ用ハイエンドSoC
◇ イノテラ、全量20nm化へ 16年前半に完了
◇ OKIプリンテッドサーキット 15年度、売上高2桁成長へ、技術優位性で事業領域拡大
◇ 三井金属 4~9月期、極薄銅箔が伸び悩み、薄膜材料で評価損発生
◇ イベント、JIEPセミナー、車載センサーで12月2日に開催
◇ サムスン電子 7~9月期、DP事業は大幅増収、有機ELの外販が拡大
◇ UDC 7~9月期、新ライン効果で増収、ホスト材料の販売は苦戦
◇ イメージン 7~9月期、出荷減で赤字拡大、通期見通しも下方修正
◇ 液晶露光装置、7~9月期は25台 16年は90台も視野
◇ 昭和シェル石油 7~9月期、PV事業は赤字、販売減や工場新設費用で
◇ 日立製作所と東北大学、抵抗を大幅に低減、全固体電池の実用化へ
◇ GSユアサ、パナソニックから鉛電池事業を取得
◇ 14年のPV市場分析、世界導入量40GWに、APACが市場牽引、IEA調べ
◇ サンパワー 7~9月期、営業赤字が拡大、発電所向けが低迷
◇ 筑波大、Ge薄膜PVを開発、ナノワイヤーで高効率化
◇ SUMCO 7~9月期、調整局面で6%減収、本格回復は来年以降
◇ 島津製作所 4~9月期、営業利益44%増に、通期計画を上方修正
◇ 東芝とGE、産業用IoTで協業、予防保守の高度化検討へ
◇ 国内重工メーカー 航空宇宙関連部門 4~9月期、
  航空需要増で17%増収、全社が増収増益を達成
◇ ジャムコ 4~9月期、2桁の増収増益、航空内装品など好調
◇ 日機装 医療部門 4~9月期、営業利益37%減 通期を下方修正
◇ 国内電子部品メーカー 4~9月期、優勝劣敗が鮮明に、減速懸念あるも上方修正相次ぐ
◇ Eサーモジェンテック、画期的な熱電発電モジュール、実用化/量産に向け増資計画
◇ 東京大学、曲がる温度センサー、印刷プロセスで製造可能
サイト内検索