ケアコスメを扱う専門店内に最近、接客カウンターやコンパクトな洗面台のようなスタンドが設置され、購入前にボディソープやスクラブ、オイルなどを試せるようになった。新店オープン時に内覧会へ赴くと、取材で一通り話を聞いた後に、「せっかくですので試して下さい」と勧められることが多い。スタッフに促されるまま、カウンターへ行き、手を差し出す。

　「ザ・ボディショップ」では、2012年から鼓動を感じるという意味を込めた“ファルスブテック”という新しい店舗スタイルへの改装に取り組んでいる。店内は白を基調とし、リビングルームをイメージした内装になっている。カウンターや椅子が配置され、ケアコスメのほか、スタッフによるカウンセリングや、簡単なデモンストレーションを体験できる。このような店舗は、ギリシャ発のナチュラルコスメ「APIVITA」、イスラエル発の「ラリン」、人気の「ロクシタン」など、そのほか複数ある。

　驚いたのは「ジョンマスターオーガニック」だ。店内中央に、“シャンプーバー”なる、まさしくバーにありそうな新導入のスタンドがある。シャンプーのボトルが逆さに設置されており、手でシャンプーの泡立ち具合を試すことができる。見た目にも斬新で、店内に入ると思わず試してみたくなる。

　コスメショップの「WoMANiA」（梅田店）では、つけまつ毛をその場で試せるコーナーがある。つけまつ毛は、まぶたのカーブと合わなかったり、まつ毛のイメージが違ったりするので、購入後に失敗することが多い。購入前に商品を試せるのは、顧客にとってありがたいシステムだと思う。

　しかし、スタッフの方とデモンストレーション中に話をしていると、“欲しい”という気持ちと、“断わりにくい”という気持ちとが相まって、つい衝動買いをしてしまう。気軽に試せるとはいっても、事前に財布の中身と相談しておいた方が良さそうだ。