商業施設新聞
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No.776

ステーションデスクで新しい働き方


新井谷千恵子

2020/10/6

 新型コロナの影響で、一時期は取材や記者会見がリモートで行われることが多く、文字どおり「家にいても仕事ができる」という状況であったが、最近ではだんだんと通常業務に戻ってきており、何かと外に出る機会が増えた。実はこのコラムを書いている今日は、朝から神奈川県内で会見があり、その後も横浜駅付近で取材があるので、会社に戻っても何もできないくらいの微妙な時間しか残らないという状況であった。しかし、今日中にはこのコラムを絶対に出さなくてはならない……。切羽詰まった筆者は、横浜駅構内の「ステーションデスク」を初めて利用することにしたのだ。

ステーションデスク横浜
ステーションデスク横浜
 ステーションデスク横浜では、全席半個室でお茶などが飲めるドリンクマシンも完備しているほか、アロマがたかれていたり、リラックスできるBGMが流れているなど、居心地の良い空間が演出されている。電車が来るたびに少しだけ音が聞こえるが、筆者は少しくらい音がするほうが集中できるタイプのため逆にありがたい。「何時までには出なければいけない」という期限もあるからこそ、正直言って家よりも仕事に集中できる環境だ。

 ただ一つだけネックとなる点は、“価格”だ。横浜駅から徒歩10分圏内にはコワーキングスペースが何カ所もあり、各々の価格を調べてみると、大体1時間500円~、2時間で1000円前後というところが多い。ステーションデスクは1時間1100円、2時間で2200円と、2倍近くとなっている。設備面での違いを挙げると、コワーキングスペースはコミュニケーションが生まれやすいような開放的な空間が多いイメージで、ステーションデスクのような個室型は少ない気がする。また、ステーションデスクはエキナカという立地で、利用方法もネットで予約してQRコードを読み取らせるか、Suicaをタッチして入室するという非対面型となっているが、コワーキングスペースではほとんどの場合で接客が必要になってくるのもポイントだ。

 筆者がステーションデスクを選んだ理由は、エキナカにあるから迷わずに行けることと、人とあまり接しなくてよいこと。感染防止の点からも、極力接客を避けてゆっくりとできる環境を探した結果、ここに行き着いたのだ。コミュニケーションが生まれる開放的な空間というのは良い面もあるが、人と接するのが苦手な筆者のような人は個室で黙々と仕事ができるほうがありがたい。

 そんなこんなでステーションデスクを結構気に入ってしまった。最寄り駅にもできないだろうか。パソコンとネットさえあれば仕事のできる時代、自分が快適だと感じることのできる場所で仕事をする……。「そんなの甘くない?」と言われるかもしれないが、これからの時代、こういったニューノーマルな働き方が大事になってくると思う。
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