デベロッパーや小売、外食産業などなど、取材で色々な方にお会いする。そのなかで外食業界の若い経営者の勢いに圧倒されることが少なくない。起業家としてのパワー、バイタリティ、多彩なアイデアに驚かされ、経営者として頭の回転の速さに頭が下がる。その斬新さに注目を集め、一躍時の人になった人も数知れないだろう。また“一般的”な経営者として似つかわしくないというか、ファションもおしゃれで、時に奇抜だったりすることも多い。それと比べると自分の格好のなんと野暮なこと。

　インタビューで話が進んでいき、その人となり、特に生い立ちやブランド立ち上げのくだりは掛け値なしにおもしろい。ある人は、「子供のころ貧乏で、ある日親父が外で七輪で肉を焼いてくれたが、それがずーっと焼肉だと思っていた」という。またある人は「サッカーをしにイタリアに渡ったが、芽が出なかったので早々に諦め、2年かけて北から南にわたり食べ尽くした」という。「個人事業にしようか、会社にしようかその場で決めなきゃなんなかったけど、なんとなく会社にした」なんて話もあった。途中、なぜかボクサー業に転じた人もいるなど経歴は様々。

　その一方で、外食業界は多くのブランドが生まれては消えていく。熾烈な弱肉強食の世界なのだ。ユニークなアイデアが生まれ、それがヒットすれば模倣される。若い企業が思いついたアイデアもキャッチアップと攻勢を仕掛けるのが大手だったりする事も多く、一時の輝きや勢いに陰りがみえることも少なくない。しかし、新しいアイデアに満ちた新しいお店、メニューをどんどん提供して欲しい。業界も活性化するし、なんといっても我々記者が楽しめる。

　そんな若い経営者達が一堂に会するイベントがある。外食記者会が毎年開催する「外食アワード」で、様々な経営者が来賓として招かれる。ちなみに今年の「外食アワード2014」は、「外食事業者部門」では（株）すかいらーくの谷真代表取締役社長、（株）くらコーポレーションの田中邦彦代表取締役社長、（株）ペッパーフードサービスの一瀬邦夫代表取締役社長、　（株）ワンダーテーブルの秋元巳智雄代表取締役社長、（株）fun functionの合掌智宏代表取締役社長が選ばれた。2月24日18時から、表彰式・レセプションを日本プレスセンターで行う。受賞者の方々も招かれる予定で、若い経営者だけではなく、旬の外食業界の方にもお会いできるので、楽しみだ。