商業施設新聞
新聞情報紙のご案内・ご購読 書籍のご案内・ご購入 セミナー/イベントのご案内 広告のご案内
第493回

東京建物(株) 商業事業部長 長谷山隆史氏


年1施設以上のNSC開発目指す
26年、埼玉県川口市に第2号

2025/8/26

東京建物(株) 商業事業部長 長谷山隆史氏
 東京建物(株)(東京都中央区)は3月、相模原市南区に地域密着型ショッピングセンター(NSC)第1号「minanoba相模原」をオープンし、NSC事業に参入した。6月には埼玉県川口市で第2号施設を着工し、年1施設以上の開発を目標とする。さらなる事業拡大を目指すNSCについて、同社商業事業部長の長谷山隆史氏に聞いた。

―― NSC開発、事業参入の経緯から。
 長谷山 当社の商業施設は、広域型ショッピングセンター(RSC)の「スマーク伊勢崎」(群馬県伊勢崎市)や、都市型の「FUNDES」などを展開しているが、地域密着型のNSCは取り組めていない分野だった。日本においてRSCは他社を含め数多く開発されている中、我々として勝負できるところはNSCだろうというところで、NSC事業への参入を決めた。
 事業構想自体は数年前から。当社はこれまでオフィスや住宅など再開発事業の分野を中心に注力をしてきたが、様々なアセットの開発実績を積み、事業の幅も広がってきた中で、新しいものに挑戦してみようという考えもNSCを開発した要因の一つだ。

―― minanoba相模原について。
 長谷山 敷地は約2000坪、施設規模は2階建て延べ約2600坪で、運営はグループ会社の(株)プライムプレイスが担当している。テナントはスーパーマーケット(SM)の「ライフ」を核店舗に、ドラッグストア(DgS)の「トモズ」、総合衣料の「パシオス」、100円ショップの「セリア」、飲食店では寿司の「魚べい」、アイスクリームの「サーティワンアイスクリーム」、ほかにもクリニックなど計12店を導入した。敷地2000坪、建物2層という、当社が手がけるNSCの標準的なサイズとなり、同施設が今後の開発のモデルとなるだろう。

―― 足元の状況は。
 長谷山 まだスタートしたばかりで、はっきりしたことは申し上げづらいが、お客様の動向などを見ていると集客はしっかりとできている。また、地域のお客様から「掲示板を設置してほしい」「休憩用の椅子をもっと増やしてほしい」といったご要望もいただいており、すでに対応を進めている。こうした改善の要望をいただけること自体が施設に対する期待の表れだと思う。

―― 東京建物のNSCの強み・特徴は。
 長谷山 SMを核店舗に、DgSや飲食店など多様なテナントを集積することにより、お客様のニーズにワンストップで応えられることがNSCの強みだと思うので、お客様や地域のニーズに合ったリーシングを強みに、今後さらに特色を出していきたい。
 また、テナントのリーシングにあたり、東京建物グループにおいて商業施設の運営受託などを主に行うプライムプレイスの存在は非常に大きい。プライムプレイスは東京建物グループの商業施設や、外部の商業施設など全国で60施設以上の運営を受託しており、運営ノウハウや幅広いテナントとのリレーションが蓄積できている。そういった中で、我々のNSC・商業施設が地域にベストマッチなテナントを展開できるというのは一つの強み・特徴だと思う。

―― テナント構成の考え方は。
 長谷山 核店舗は基本的にSMとし、それ以外ではDgSや飲食など地域のニーズに合ったものを揃えたい。核店舗に集客力のあるSMを誘致することで来館者数が増え、他のテナントの集客、施設の活性化にもつながる。また、minanoba相模原のテナント構成は物販約75%、非物販約25%となっていて、敷地の形状や地域のニーズによって多少前後するものの、当社NSCにおいては物販70~80%、非物販20~30%程度が一つの目安となる。

―― 今後の開発は。
 長谷山 NSC第2号施設の「(仮称)川口市柳崎一丁目NSCプロジェクト」が6月に着工した。施設規模は2階建て延べ約3000坪で、minanoba相模原より一回りほど大きく、テナント数も少し増える見込みだ。26年内のオープンを予定している。
 そのほか、全国を対象エリアとして年1施設以上のNSC開発を行っていきたい。政令指定都市など人口を多く抱える場所をはじめ、ニーズがあり、今後の成長が見込めるエリアで、スポット的にNSCがいけると判断できればトライしたいと思っている。

―― 最後に抱負を。
 長谷山 SMを核としたNSCは、コンビニよりもリーズナブル、RSCよりも身近な存在で、そこが便利で親しまれやすい。我々の狙いはまさにそこで、NSCは商圏がそこまで広くない分、地域のニーズやお客様の要望にしっかり応えられる。お客様に満足いただけるものを作り、お客様の声を施設にしっかり反映させることで、満足度を上げていく。そうすることでNSCとしてブランド力の向上につなげていきたい。



(聞き手・副編集長 若山智令)
商業施設新聞2605号(2025年7月22日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.467

サイト内検索