国内半導体大手11社、15年度は4%成長
下期のセット需要を注視、ソニーが2位を射程に
本紙は、国内半導体大手11社の2014年度業績および15年度見通しをまとめた。まだ実績や見通しを発表できていないメーカーがあるが、14年度は旺盛な需要や円安の定着によって11社合計の売上高は前年比8%増の4.6兆円になったと推定される。見通しを公表していない企業が前年並みと仮定すると、15年度も4%強のプラス成長が見込まれるが、セット市場の動きによってはデバイス需要が下振れする可能性があり、決して予断を許さない。
最大手の東芝が正確な数値を明らかにしていない状況ではあるが、13年度に続いて14年度も改革中のパナソニックを除く全社が利益を確保できたとみられる。ルネサスの営業利益は1000億円を超え、構造改革の成果を示した。ソニーとシャープはそれぞれイメージセンサーとカメラモジュールで大幅な増収を記録し、パワーデバイスで特需があった三菱電機も4割の増収となった。ランキングでは、14年度最大の増収幅を記録したシャープが4位にジャンプアップし、LEDで世界首位を独走する日亜化学が7位に浮上した。
15年度に関しては、ソニーとシャープが引き続きイメージセンサー&カメラモジュールで大幅な増収を計画。特需の反動で三菱電機はパワーデバイスが減収になる見通しだが、サンケン電気は引き続き堅調な伸びを見込む。ルネサスの動向によってはソニーが国内2位に浮上する可能性があり、日亜化学が5位以内に入ってくるかもしれない。
とはいえ、ここにきて半導体市況が徐々に軟化してきた。世界的にパソコンの販売が絶不調で、大手調査会社ガートナーの調べによると、パソコンの出荷台数は1~3月期が前年同期比5.2%減、4~6月期は同9.5%減だった。電子情報技術産業協会(JEITA)の統計によると、国内出荷実績は4月、5月ともに前年同月比で約半分という低水準。
(以下、本紙2015年7月23日号1面)
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◇ 東芝とIRID、原発調査ロボ開発 8月から調査開始
◇ ジャムコ、17年度3割増収へ 航空内装品を拡大
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◇ キヤノン、マシンビジョン新製品、小型部品を3D認識
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