起こせるか スピントロニクス革命
待機電力99%削減可能に、日本半導体「救世主」の期待も
経済産業省の試算(2008年時)によると、IT機器の急増によって世界のエネルギー消費量は年々増え続けている。25年には06年比9.4倍の4.6兆kWhに達すると予測されるが、スマートフォンやタブレットPCなどの登場で、消費電力量は試算以上のペースで増加する可能性が高い。そこで消費電力をさらに低減できる切り札として、近年注目を集めているのがスピントロニクス技術だ。これまでの技術的ブレークスルーを含めて日本が最先端開発をリードしており、実用化で先んじれば、日本半導体産業の救世主となる可能性さえ感じさせる。
■不揮発への置き換えに
携帯機器やデジタルAV家電、ゲーム機などの頭脳を司るシステムLSI。これまではトランジスタの微細化によって機器の高機能化・高性能化を実現してきたが、現在はトランジスタのリーク電流によって待機電力が動作電力に迫るレベルにまで増大し、プロセッサーの総消費電力を決定するまでに至っている。
これは現在の半導体エレクトロニクスが、電源を切ると記憶が失われてしまう「揮発性」を基本としていることに起因している。もしメーンメモリーやシステムLSIの混載メモリーを、電源を切っても記憶が保持できる「不揮発性」に置き換えることができれば、待機電力の大幅な削減が可能となる。
しかし、その置き換えは一筋縄ではいかない。DRAMの置き換えには記録密度2Gビット以上、動作速度30ns、書き換え耐性10の16乗以上、SRAMの置き換えには記録密度8Mビット、動作速度3ns、書き換え耐性10の16乗以上が必要とされ、ハードルがきわめて高い。
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