NANDフラッシュ、3D投資で上昇気流
16年末に月産20万枚超に、サムスン西安の投資再開
NANDフラッシュが主要各社の3D-NAND投資の活発化を受けて、上昇気流に乗り始めている。2015年の年初段階では、前年比で大きく減少すると見られていたNAND投資だが、最終製品の底堅い需要に加え、3D-NANDが徐々にエンドユーザーのあいだで「市民権」を得ていることもあり、ここにきて各社の投資マインドが好転しつつある。15年末段階で3Dのウエハー投入能力はNANDフラッシュ全体の1割にも満たないが、今後各社が積極的な設備投資を展開することで、16年末には全体の2割弱を占める月産20万枚を超える規模に引き上がる見通しだ。
15年のNAND市場におけるビット成長は40%前後と見込まれており、例年並みの水準で推移している。原則的に現行のFG(フローティングゲート)構造の微細化による供給増と、TLC(Triple Level Cell)などの多値化技術により、需要は満たせると考えられており、年初段階でNAND市場全体の15年設備投資金額は前年比で減少すると見られている。こうした状況のもと、15年のNAND投資は当初から期待値が高くなかったが、ここにきて状況は好転しつつある。設備投資を牽引しているのは、3D-NANDだ。
3Dは従来の平面構造と異なり、3次元方向にメモリーセルを積層する技術。リソグラフィー技術に依存せずに大容量化を実現できるほか、これまでFG-NANDで課題となっていたメモリーセルの信頼性向上にも寄与する。この分野ではサムスン電子が他社をリードしており、中国・西安工場で量産している。
(以下、本紙2015年6月18日号1面)
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