2次電池、車載用の投資再燃
米中欧の施策が波及、20年に1.5兆円市場に
車載用2次電池市場が再び盛り上がり始めている。海外では大型電池工場の計画が複数持ち上がり、材料メーカーの動きも目立ってきた。矢野経済研究所によると、車載用2次電池(リチウムイオン電池:LiB、ニッケル水素電池)の世界市場は、2014年の約4309億円から20年には約1兆4949億円まで拡大すると予想している。ただ、現状の車載電池メーカーの生産状況をみると、高稼働率は一部のメーカーに限られている。そのなかで各社が動きを加速させている理由に、米中欧の施策の影響が見え隠れする。
車載2次電池市場で最大の注目を集めているのが、電気自動車(EV)メーカーの米テスラモーターズが建設中の大規模電池工場「ギガファクトリー」だ。当初は17年の稼働開始を予定していたが、16年に前倒し、建設スピードを加速させている。そのテスラ社の本拠地である米国において実施されている環境関連施策にZEV(Zero Emission Vehicle=無公害車)法がある。
ZEV法は、一定台数以上を販売する大規模自動車メーカー(LVM)に対し、新車販売台数の一定比率をZEVにするよう定めた規制。現在、米国10州で実施されている。ZEVの対象は、EV(一部のレンジエクステンダーEV含む)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)、ハイブリッド車(HV)、超低公害車の5つ。ZEV法の旗振り役であるカリフォルニア州では、ZEV比率を14%に設定している。
そのZEV法は、18年に転換点を迎える。ZEV販売比率が変化し、対象がEV、PHV、FCVの3つになるためだ。
(以下、本紙2015年4月9日号1面)
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