電子部品メーカー、国内で増産体制整備
大手3社揃って新工場建設、スマホと車載が需要牽引
国内電子部品メーカーの量産・増産計画が出揃ってきた。村田製作所は福井で積層セラミックコンデンサー(MLCC)、金沢でSAWフィルターを増産。太陽誘電はSAWフィルターや積層チップインダクタの増産に踏み切る。また、TDKは磁性体フェライト材料から高周波部品製造まで、材料と製品の開発・製造を一体化させた新棟建設を発表し、大手3社が揃い踏みとなった。大手の動きに呼応し、中堅メーカーも増産に着手。スマートフォン(スマホ)を核としたモバイル情報端末機器や車載用途の拡大を背景に、電子部品各社が国内製造業の投資回帰を牽引している。
村田製作所は約100億円を投資し、MLCCマザー工場の福井村田製作所内に新生産棟を建設中だ。建築面積3600m²、延べ床面積2万2620m²のS造り地上5階建てで、9月に竣工する。また、SAWフィルターの生産を担う金沢村田製作所にも能力増強を意図にカンフル剤を打ち込んだ。投資額は非公表だが、SAWフィルターの生産能力を引き上げている。
太陽誘電は、子会社の新潟太陽誘電の敷地内に新工場となる第2号棟を建設する。規模は、建築面積1万5000m²、延べ床面積2万6000m²。4月に着工、年内の稼働を目指す。投資額は約100億円。さらに、子会社の太陽誘電モバイルテクノロジーでSAWフィルターの量産準備を進めており、子会社の中紀精機では積層チップインダクタの増産に踏み切る。
TDKも新製造棟の建設を発表した。8年ぶりの国内新工場として、秋田県の本荘工場および稲倉工場の敷地内にそれぞれ新棟を建設する。投資額は約250億円。磁性体フェライト材料から高周波部品やピエゾ部品など、その開発・設計・製造について一気通貫体制の構築を目指す。
(以下、本紙2015年3月12日号1面)
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