インフラセンシング、国内センサー需要を底上げ
国プロで新MEMS開発続々、市場創出へ問われる「事業化の成否」
電子デバイスの新たな内需として、道路や橋梁、トンネルといった社会インフラのセンシング技術が注目を集めている。インフラの維持管理にエレクトロニクス技術を活用し、モニタリング技術やロボットによる点検・補修技術などを開発して効率的・効果的な維持管理・更新を実現するのが狙いだ。2014年度から本格的に国家プロジェクトが立ち上がり、新型センサーが続々と登場しようとしている。国内デバイス市場を底上げし、目標とする市場を創出につなげることができるのか。現状の取り組みと課題を追ってみた。
インフラセンシングが公的なプロジェクトに選定された背景には、高度成長期に建設された社会インフラの多さがある。国土交通省によると、全国の橋梁数は約70万橋で、このうち築後50年を超えた2m以上の橋梁は13年度にはまだ18%だが、23年度には43%、33年度には67%へと、老朽化が加速度的に進む。
財政問題も深刻だ。社会インフラの維持管理・更新に従来どおり支出すると、37年度には現在のレベルの投資総額を上回り、11~60年度の50年間に必要な更新費約190兆円のうち、約30兆円の更新ができなくなると試算されている。
こうした課題の解決策として、モニタリングシステムやロボットなどから取得したデータとインフラの損傷程度の関連付け、インフラ安全度の基準設定、導入技術の評価基準を確立して、低コストで維持管理できるようにする。国は、こうした維持管理・更新・マネジメント技術で30年に約7000億円の市場が創出できると期待している。
(以下、本紙2015年2月12日号1面)
◇ 世界半導体設備投資、15年は7%増の668億ドル、サムスン筆頭にDRAM投資活況、
ファンドリー、16/14nmが主軸
◇ クアルコム、通期予想を下方修正、主要顧客の方針転換で
◇ ボッシュのADASシステム、ミリ波1000万台出荷へ、ステレオカメラも本格投入
◇ ルネサス 車載事業、体制見直しで「勝ち抜く」戦略へ、浮沈のカギ握るADAS分野
◇ ソニー、車載CISを拡大、熊本300mm・65nmで量産へ
◇ ソニー、CMOSセンサー増産、1050億円投じ月8万枚に
◇ 東芝 4~12月期、営業益 過去最高に、NANDで高収益維持
◇ トレックス、センス端子分離の電圧検出器を開発
◇ UMC 10~12月期、28nmが7%に拡大、HKMGが過半占める
◇ サンディスク 10~12月期、機会損失で大幅減益、15年は企業向けSSD牽引
◇ フェアチャイルド 10~12月期、モバイル不振で減収、車載は年間で2桁成長
◇ ユニオンツール 14年11月期、営業利益が6割増、新製品が売上の4割弱に
◇ メック、尼崎市に新事業場、本社と製造開発を集約
◇ 三菱マテリアル、銅一体型DBA基板、次世代パワーモジュールに
◇ シャープ 4~12月期、液晶事業は減収減益、中小型需要悪化で失速
◇ 三菱マテリアル、ターゲット材が堅調、14年度は2桁の増収に
◇ JDI、車載用後工程を増強、台湾の組立能力2.5倍に
◇ リコー、年内にサンプル出荷、塗布型全固体DSC開発
◇ 米国商務省、2月から課税開始、反ダンピング税率を決定
◇ 宇部興産、堺に開発センター 機能品の研究強化
◇ 東京エレクトロン 10~12月期、SPE受注高17%増、リーマン以降過去最高
◇ 日立国際電気 10~12月期、SPE受注高57%増、DRAM投資前倒しで
◇ ラムリサーチ 10~12月期、装置出荷高12%増、DRAM比率4割超に
◇ 政府、ロボット戦略発表、1000億円の投資創出へ
◇ NCSU、医療用センサー開発、長時間測定が可能に
◇ エア・ウォーター、酸素濃縮装置 小型化を実現
◇ ヘルスセンシング、15年夏から量産展開へ、医療介護向け振動センサー
◇ 大阪大学とヴイストン、会話ロボット開発、高度な対話感を実現
◇ 村田製作所 14年度、売上高1兆円突破へ、スマホ新機種と円安効果
◇ 日本電産 4~12月期、車載用が7割増収、15年度は3000億円目指す
◇ 日本航空電子工業 4~12月期、営業利益5割増に、コネクターは2割増収