ADAS用半導体、本格成長の時代到来
安全安心実現へ技術多様化、LD用いるLIDAR登場
先進運転支援システム(ADAS)向けの半導体需要が急拡大している。車道の白線検知や緊急自動ブレーキシステムの要の技術となるカメラやミリ波レーダーを搭載した車両の販売が好調なうえ、各国のアセスメントや法規制の導入・施行にも牽引され、関連市場が伸びるためだ。検知機能を決定づける主要デバイスの画像センサー(CIS)やMMICなどが大きく拡大するため、新規参入メーカーも出てくる。さらに、より高分解能なセンサーと期待される走査型LIDAR向けに高性能半導体レーザー(LD)が求められているなど、技術開発も活発化しそうだ。
■CISは高画素化の一途
最も市場拡大が期待されるのが、ADASの主要センサーの1つであるカメラ(単眼/ステレオ)だ。車載用カメラ市場は、2013年の約5000万台から20年には3倍増の1.6億台へ飛躍する(テクノ・システム・リサーチ調べ)。金額では22億ドルから76億ドルまで跳ね上がると予測されている。
車載カメラは、センシング機能を扱うものだけではなく、リアビューやドライブレコーダーなどにも使用されるビューカメラが台数では圧倒的に多い。しかし、今後は高性能なセンシングカメラが普及の速度を速め、20年時点で全体の4割(台数ベース)を超えてくるとみられている。
特にセンシング機能では、情報の処理速度や量の向上が一層求められてくるため、従来のようなVGAクラスから100万~200万画素、場合によってはそれ以上の高画素化が求められているという。
ソニーは、人間の目では認識できないような暗い場所(0.005ルクス)でもカラー画像を撮影できるCIS(127万画素)を開発済み。また、東芝も自社でCISをスマホ向けなどに製造・販売しているが、内製化している高機能画像処理プロセッサー「Visconti」と組み合わせて、車載向けで相乗効果を狙っている。
現在、車載用ではオムニビジョンとアプティナが市場を分け合っている構図だが、ここにソニーをはじめとする国内勢が本格的に参入してくる。さらには、ボッシュなどのメガTier1も急拡大する同市場に興味を示している。
■BiCMOSプロセスで19年にも市場投入
ミリ波レーダーも普及に拍車がかかる。台数はカメラに及ばないが、天候などに左右されず、長距離であっても対象物を正確に検知する能力に長けており、高級車を中心に搭載車両が増加している。
(以下、本紙2015年2月5日号1面)
◇ サムスン電子、先端ロジックで巻き返し、米韓主力工場で14nm投資、
受託生産と内製APで好循環
◇ UMC、15年投資3割増 28nm 2万枚に
◇ 日産、NASAと共同開発、自動運転技術で5年間
◇ エヌビディア、車載コンピューター、自動運転用に学習機能も
◇15年半導体設備投資、0.8%増の658億ドル、 ガートナー調べ
◇ 富士通研究所、指輪型デバイス開発、空中での文字入力実現
◇ ローム、ネット販売を開始、Wi-SUNモジュール
◇ 東芝、カーオーディオ用パワーアンプ発売
◇ インフィニオン、車載MOSに新技術、パッケージはリードレス化
◇ TSMC 10~12月期、20nm構成比 2割超に、営業利益率は4割確保
◇ NGNT、衛星測位ICを開発、スマホ用にも40nmで量産
◇ 新光電気工業、部品内蔵PKG量産、新井でスマホ向けに展開
◇ 富士機械製造、統合システムを提案、生産ラインの最適化狙う
◇ 日立マクセル、3次元成形回路 新プロセス開発
◇ 味の素ファインテクノ、新封止材を開発 FOWLP向け
◇ 茶谷産業、海外生産体制を整備、液晶用バックライト
◇ 大日本印刷、銅メッシュ量産開始、線幅2μmの供給可能に
◇ イー・インク、14年の暫定業績 売上高23%減に
◇ 経済産業省、FIT新ルール開始、導入拡大と安定供給両立
◇ 宇部興産、電解液合弁を子会社化へ
◇ ニチコン、EVパワステが三菱PHVに対応
◇ ASML 10~12月期、ファンドリー向け拡大、通年業績は過去最高記録
◇ JSR 10~12月期、電子材料は増収増益、ArFレジストが牽引
◇ 綜研化学、大面積化技術を確立、NIL用モールド
◇ ブイテックス、米国に販売拠点 真空バルブ強化
◇ 島津製作所、細胞解析事業に参入、TELとも連携
◇ 富士重工業、半田市に組立工場、ボーイング向け中央翼
◇ スペースX、グーグルなどから10億ドルを調達
◇ IoTの普及とセキュリティー、重要性増す暗号化技術、プライバシー保護対策で
◇ 日本電産 4~12月期、2桁の増収増益に、通期売り上げ1兆円へ
◇ アルプス電気、オールインワン無線モジュール