12年度 国内半導体30社売上高、横ばいの4.6兆円
海外市場の開拓が至上命題に、景気再浮上は13年初頭か
本紙は、国内半導体メーカー30社の2011年度業績および12年度計画をまとめた。堅調だった10年度に対し、11年度に増収を達成できたのはわずか1割の3社のみ。12年度は7割近いメーカーが増収を計画しており、横ばいの4.6兆円が見込まれるが、下期に向けた半導体市況には不透明感が増している。回復シナリオが描きにくいなか、慢性的な円高対応や海外市場への販路拡大といった課題にいかに取り組むか、各社の戦略が問われそうだ。
昨年の同時期、本紙は30社の11年度計画を集計し、10年度比3%増の5.6兆円になりそうだと報告した(11年8月24日号)。だが結果的に、11年度の30社売上高合計は1兆円も少ない4.6兆円という結果になった。当初計画から東芝は3000億円、ルネサスは1200億円、パナソニックは1000億円、売上高が減少した。
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◇ UMC 4~6月期、売上高は16%増、スマホ好調もPC低迷
◇ 韓国半導体メーカー、13年にTSV実用化、積層メモリーなど製品化
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◇ 日産化学工業、配向材料は増収、IPS/FFS80%増
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