電子デバイス業界2014 10大ニュース、業界再編「数と規模」で突出
ノーベル賞でLEDにも脚光、ファンド効果で中国投資活況
半導体メーカーの再編はこれまでも多く見受けられたが、今年に限っていえば件数、そして規模ともに例年を大きく上回るものとなった。14年の半導体デバイス市場が前年比8~9%増という予測が出るなど、足元では好況感が広がっている。半導体メーカー各社では、好況時の今こそ次世代の成長に目を向けるべき、という心理が働いているように感じる(本紙12月17日号参照)。
日系メーカーにおいても今年は事業の「出し入れ」が多い一年であったといえる。特に目立ったのが国内ファブレス最大手のメガチップスだ。13年度に川崎マイクロエレクトロニクスを買収したのを皮切りに、14年4月には米ビタトロニックへの出資、9月にはSTマイクロのスマート・コネクティビティー事業を買収、そして10月には米サイタイムを買収した。
また、注目すべきは村田製作所が米ペレグリン・セミコンダクターを買収したことだ。村田製作所は本来、電子部品メーカーであるが、近年、無線モジュールなどを通じて半導体分野との距離を縮めており、今回アンテナスイッチを手がけるペレグリンを買収した。今後、電子部品メーカーが半導体分野で存在感を増していくという流れのなかで象徴的な事案といえる。
(以下、本紙2014年12月24日号1面)
◇ 国内半導体工場再編、300mmの大型案件にめど、海外資本の進出目立つ
◇ 東京大学、トンネルFET 超省電力を実現
◇ 内閣府のSIP、パワエレPJが始動、素材から製品まで11テーマ
◇ 日本電産、独中の2社買収、車載ビジネスを強化
◇ 旭化成グループ、深紫外LEDを発売、国内に量産ライン完備
◇ 東芝、ゲノム解析を開始 低コスト短納期で
◇ ファーウェイとZTE、テレマティクスを開発、非接触給電や自動運転も
◇ インフィニオン、14年度営業益6割増、車載・産機が牽引
◇ サムスン電機 7~9月期、HDI基板が低迷、FCCSPは拡大
◇ ペガトロン 7~9月期、スマホで大幅増益、次期はPCが回復へ
◇ 古河電工、銅条生産を再開へ BCP対策も強化
◇ 藤森工業、保護フィルムを増産、偏光板用で台湾に新棟
◇ 山形大学、有機ELを試作、塗布型でフレキシブル
◇ セイコークロック、無機ELを透明化、マルチカラーELも開発
◇ 新日鉄住金マテリアルズ、SiC出荷1.7倍に、6インチ戦略練り直し
◇ ツー・シックスSiCウエハー、15年に8インチ出荷、大口径化をリード
◇ イノテック、3D-IC用の半導体試験装置
◇ ファースト・ソーラー、結晶SiPV発売、15年から日本市場に投入
◇ AIST、80μm厚セルを開発、次世代PV開発拠点を公開
◇ 三星ダイヤモンド、装置の売上倍増へ、中国でCIGS需要増
◇ 英弘精機、新複合センサー開発、実証新サイトも稼働へ