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2014/12/3(2120号)主なヘッドライン
中国のIC製造 新時代へ、2兆円のICファンド発足
工場計画・開発案件が乱立

 中国政府は2014年、先端ICの国産化を国の重要な政策課題と位置づけし直した。過去に韓国や台湾が国を挙げた支援をテコに先端ICの製造技術を確立したように、今度は中国が十数年かけて世界のトップメーカーと並ぶ企業を輩出するという目標を掲げてきた。背景には情報安全での米国との覇権争いなどの事情があり、その中核技術となる先端ICの国産化に向けて、中国のIC産業は新時代に突入しようとしている。

 中国政府は6月末、IC産業の発展方針を規定した「国家集成電路産業発展推進綱要」を発表した。長期的なIC産業の発展ビジョンを提示するとともに、10月中旬には2兆円規模と想定されるIC産業専門の投資ファンド運営会社を発足させた。
 中国政府はこれまでも、IC産業の育成へ最長10年に及ぶ法人税の減免措置などで半導体工場の投資や建設を後押ししてきた。しかし、今回の政策は「半導体工場の誘致ではなく、既存メーカーの技術力を海外のトップ企業並みに引き上げる」(中国の半導体メーカー幹部)ことに主眼が置かれている。
 中国が世界へ供給するようになった液晶パネルや太陽電池、LEDなどは、低コスト製造とスケールメリットにより世界市場でシェアを取ることができた。しかし、IPやプロセスレシピに守られた先端ICは、製造装置を購入すれば量産できるような代物ではない。「SMICが28nmプロセスの量産化で苦戦している現状を見る限り、政府が資金を出すだけでは、そう簡単に理想と現実のギャップが埋まらない」(日系装置メーカーの中国担当営業)。
 しかし、中国はPCやスマートフォン(スマホ)などを国産化し、次は基幹ネットワーク分野で海外製品を排除して国産品で占めようとしている。中国政府は、中国銀聯(中国の銀行間決済)システムや各銀行、公共機関などが運用するサーバーの国産化策を進めている。また、高速鉄道やエアコン大手などがIGBTの業界団体を設立するなど、政府や大手企業などが情報セキュリティーや省エネ推進の分野でICの国産化に向けた本気の構えを示すようになった。

(以下、本紙2014年12月3日号1面)



◇ 中国、米韓台と貿易交渉、半導体など関税撤廃へ
◇ SEMITEC、ベトナムに新工場、15年6月から稼働
◇ 新日本無線、SAWの拡大検討、川越のウエハー設備増強
◇ 太陽誘電、新潟に新工場 15年末に竣工
◇ サンケン電気 4~9月期、半導体事業13%増収、車載・白物好調で上振れ
◇ 浜松ホトニクス 14年9月期、光半導体は大幅増益、医療・産業用に拡大続く
◇ 村田製作所、横河電機と提携、プラント用無線モジュールで
◇ 東芝、車載用画像認識IC、夜間の歩行者検知向上
◇ ファーウェイ、2Kスマホ発売へ、サファイアカバー採用
◇ 中国のIC設計業、高成長が継続 年2兆円規模に
◇ 富士機械製造 4~9月期、マウンターが急回復、最大市場の中国が牽引
◇ 三井金属鉱業 7~9月期、マイクロシンが好調、極薄銅箔はフル稼働
◇ エルナーと太陽誘電、資本業務提携を締結、開発・生産で協業深める
◇ TPV 7~9月期、テレビの出荷堅調、パネル供給不足を懸念
◇ BOE、65型のOGSタッチ、4Kで産業用途を想定
◇ イノラックス、LTPS新ライン 16年に高雄で稼働
◇ 中国のPV業界、大手の寡占化が進む、ポリシリは5社が8割生産
◇ 三井化学、高精度にPV診断、ビッグデータを活用
◇ サンパワー、中国に新JV設立 集光システム展開
◇ 東京理科大、Naイオン電池開発、超高速充放電が強み
◇ エノモト、フィリピン拡張 成形品など増産
◇ ASML、20年に売上100億ユーロ、EUV 16年に年間60台
◇ サーマプレシジョン、次世代NANDに拡大、ホットリン酸濃度の測定器
◇ AMAT 8~10月期、半導体受注15%減、フラッシュ向けが減少
◇ 日立ハイテク、MIC那珂竣工 先端装置を開発
◇ 大陽日酸、液化ガスプラント 水戸で全面更新
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