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2014/10/15(2113号)主なヘッドライン
NANDフラッシュ、TLCが主戦場に
新型iPhone採用が拍車、サムスン/サンディスクが先行

 NANDフラッシュ業界の差別化ポイントの1つとして、多値化技術のTLC(Triple Level Cell)が大きくクローズアップされてきた。9月から販売が開始された米アップルの「iPhone6/6Plus」にもTLC品が採用されており、従来メモリーカード分野にとどまっていた採用領域が大きな広がりを見せている。TLC品の拡大には、メモリーダイに作り込むロジック回路や外部コントローラーICの優劣が大きなカギを握るだけに、NANDフラッシュ各社はメモリーメーカーでありながらも、「ロジック分野の強化」という、これまでにない戦略を推進しようとしている。

 TLCとは、1つのメモリーセル内に複数ビットの情報を蓄積する多値化技術。これまではセルあたり2ビットを蓄積するMLC(Multi Level Cell)が一般的であったが、09年ごろからメモリーカード向けを中心にTLC品の採用が拡大、徐々に存在感を高めている。TLCなどの多値化製品を使うことで、ビットコストを引き下げることが可能で、プロセスの微細化と並び、NANDメーカーのコストダウン手法として広がりを見せている。
 NAND各社がTLC化を図る背景の1つには、3D-NANDの実用化が遅れていることが挙げられる。3次元方向にメモリーセルを積層する3D-NANDはビットコスト引き下げの切り札と考えられていたが、エッチングや成膜などプロセス技術の確立に多くの課題を抱えており、本格的な普及にはまだまだ時間を要するのが実情だ。そのため、NANDメーカーでは従来のプロセス微細化に加えて、TLC品の採用をコストダウンの手法としてこれまで以上に重宝するようになっている。
 大きな転機となっているのが、iPhone6での採用だ。「6」では16/64/128Gバイトモデルの3種類が用意されているが、このうち64/128Gバイトモデルの多くにTLC品が採用されているとみられ、スマートフォン/タブレット向けにもいよいよTLCの波が押し寄せてきたといえる。

(以下、本紙2014年10月15日号1面)



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