GaNパワーデバイス、三菱と住電が量産へ
アイクストロンが成膜装置納入
独アイクストロン(日本法人=東京都品川区北品川1-8-11、Tel.03-5781-0931)は、三菱電機に納入したMOCVD「AIX 2800G4 HT Planetary Reactor system」が稼働を始めたと発表した。三菱電機はこの装置を活用して、携帯電話用基地局向けGaN on Siパワーアンプ(PA)の開発・量産を加速する。
稼働を始めたG4は、処理するサセプターとウエハーが独立して回転するプラネタリーリアクター(自公転)方式を採用しており、4インチ×11枚の構成。前世代のG3からの知見をもとに、ウエハーの反りを抑え、優れた均一性で歩留まりを向上できるため、三菱電機は主にGaN on Si PAの量産に活用するという。
また、アイクストロンは6月、4インチ対応のMOCVD「CRIUS」を住友電工デバイス・イノベーション(株)(SEDI)から受注したことを明らかにしている。7~9月期中に横浜市栄区にあるSEDI本社・電子デバイス事業部に納入される予定である。
SEDIが量産を狙うのはGaN on SiCのHEMTデバイスだ。レーダーや一般用途向けとともに、やはり15年から需要が拡大すると予測されている携帯電話用基地局向け、ワイヤレス市場向けなどをターゲットに据えている。
ワイドギャップのパワーデバイスでは、新材料であるSiCとGaNが注目を浴びている。ともに高電力に対応するが、主にSiCは車載など高耐熱用途、GaNは基地局やワイヤレスなど高周波用途を主戦場としている。
GaNパワーデバイスの量産では、格子乗数の違いから、シリコンウエハー上に必ず転位低減層(バッファー層)を設けなければならない。このため縦構造の形成が難しいとされる。また、SiCではデバイス製造よりも、昇華法による単結晶成長に課題がある。成長できる結晶が短いため多くのウエハーが切り出せず、1枚あたりのコストが下げづらいといわれている。
(以下、本紙2014年9月17日号3面)
◇ 東芝とサンディスク、ファブ5新棟稼働 メモリー拡大強化
◇ SEMI、450mmリソの開発状況報告、液浸でウエハーに回路形成
◇ クリー、15年度投資2億ドル、6インチへ全面切り替え
◇ UMC、三重300mm工場に出資、40nmラインも新たに構築
◇ フェアチャイルド、生産体制再編 2工場を閉鎖
◇ シャープ、調光と連動して調色、照明用LEDデバイス
◇ タブラ、100Gシステムを出荷、インテルとDCも開発中
◇ タワージャズ、ハイマックスからCISの生産受託
◇ 三井ハイテック 2~7月期、リードフレーム堅調、国内で金型投資に重点
◇ 日本CMK 4~6月期、収益改善で黒字確保、車載用基板が寄与
◇ ヤマハ発動機、マウンター事業買収、2月に日立ハイテクから
◇ JSTと慶大、空中に3D映像表示、裸眼ディスプレーを開発
◇ 台湾液晶パネル4社 8月実績、大型の出荷が堅調、15カ月ぶり800億台湾ドル超
◇ LGエレクトロニクス、4K有機ELテレビを発売
◇ AMAT 5~7月期、半導体の受注6%減、DRAMとファンドリー減少
◇ 東レエンジニアリング、NGRに出資 検査装置を強化
◇ 航天机電、能力を300MW拡張、4本、5本バスバーを製品化
◇ マンツ、中国での生産検討、CIGS製造装置
◇ 日立ハイテクノロジーズ、国内で100MW開発、スイス社とメガソーラー
◇ 中国製太陽電池、最大輸出先は日本 上期2500億円