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2014/8/6(2103号)主なヘッドライン
INCJなど4社、有機ELで統合新会社
中型を印刷技術で量産化

 (株)産業革新機構(INCJ、東京都千代田区丸の内1-4-1、Tel.03-5218-7200)は、(株)ジャパンディスプレイ(JDI)、ソニー(株)、パナソニック(株)と有機ELディスプレーの研究開発機能を統合した新会社「(株)JOLED(ジェイオーレッド)」を2015年1月に発足させると発表した。有機ELの量産開発を加速させ、早期に事業化するのが狙い。
 新会社の議決権は、INCJが75%、JDIが15%、ソニーとパナソニックが5%ずつを保有する予定だが、資本金が非公表であるため、投資額がどの程度になるか不明。本社を置く場所も未定だが、経営陣にはディスプレー業界をよく知る人材を外部から招聘する予定で選定しており、INCJとJDIからは社外取締役を派遣する。
 INCJ以外の3社が持つ開発資産や要素技術、特許をJOLEDに譲渡し、タブレットやノートPCに搭載される10インチ以上の中型ディスプレーの事業化を狙う。将来的にはフレキシブルディスプレーの事業化も視野に、既存の液晶ディスプレーに対して軽量化と薄型化で差別化を図る。
 従業員数は、エンジニアを中心に数百人規模を想定。JOLEDでは、バックプレーンに酸化物TFTを採用し、有機EL層の成膜には印刷技術を用い、12インチの4Kパネルなど300~400ppiクラスのディスプレーを事業化の対象とする。バックライトレスで軽量になるという有機ELの特徴を生かし、重さが1kgを大きく下回るノートPCなどの新しいセット機器の実現に貢献する。
 JDIからはJOLEDへ人員は移籍せず、開発支援・業務支援を行い、開発ノウハウを共有する。JDIが単独で手がけている小型有機ELは、成膜技術が蒸着で、バックプレーンに低温ポリシリコン(LTPS)を用いているためJOLEDとは競合しないという認識で、事業化を現状のまま進めていく。
 本件の責任者であるINCJ執行役員の谷山浩一郎氏は「JDIにはタッチパネル技術での貢献を期待している」と話した。
 ソニーからは、次世代有機ELの開発に携わっていた100人以上がJOLEDに移籍する予定。すでに事業化している有機ELのマスターモニターや電子ビューファインダーといった事業および東浦サイトにある有機EL蒸着ラインはソニーに残る。

(以下、本紙2014年8月6日号6面)



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