RF半導体市場、高まるエピファンドリーの存在感
PAやスイッチ増加で需要拡大、次は太陽電池とGaNに照準
スマートフォン(スマホ)やタブレット端末の普及で、急速に需要が拡大している高周波(RF)用の化合物半導体デバイス。モバイル機器の台数増加で今後も市場成長が見込まれるが、この成長を陰で支えているのは、シリコン半導体業界と同じく、ファンドリー企業の台頭である。端末のマルチモード/マルチバンド(MMMB)対応でデバイス構造が複雑化するなか、成膜工程の一部を請け負うエピファンドリーの存在感が今後もさらに高まっていきそうだ。
代表的なエピファンドリー5社の売上高は、この4年間で約1.7倍に拡大し、2011年には6.15億ドルとなった(グラフ参照)。2G/3G通信に加えてLTEなどの次世代規格が立ち上がり、スマホにおけるグローバル端末の登場によって、GaAsパワーアンプ(PA)の搭載個数が急増したことが急成長を支えてきた。GaAs PAは、2G端末には1台あたり1~2個搭載されるにすぎなかったが、4G端末には7~8個が必要とされ、新たな通信規格が商用化されるたびに搭載数が増加の一途をたどっている。
エピファンドリーの活躍の場が広がるもう1つの理由が、デバイス構造の変化だ。既存のHBTやpHEMTに加え、HBTを形成した同一のGaAsウエハー上にFETやpHEMTを作り込むBiFETやBiHEMTといった新しい複雑なエピ構造が登場。PAとスイッチICを同一チップに作り込み、パッケージングコストや実装面積を削減しようという動きが顕在化してきた。
BiHEMTはHBTに対して3~4倍に層数が増えるとされ、成膜工程に大きな負荷がかかる。これまでエピ~デバイス形成まで一貫して手がけてきたIDMが、成膜工程の一部だけでも外部ソースを活用したくなるのは当然で、これがエピファンドリー各社の設備増強意欲に拍車をかけているのだ。
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