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2014/7/23(2101号)主なヘッドライン
スマートグラス、B2B市場の形成始まる
用途明確化でニーズ具体化、パネルはLCOSが先行

 調査会社の矢野経済研究所が2013年8月に発表した予測によると、スマートグラスの世界市場は14年末以降、スマートフォン(スマホ)メーカーやベンチャーなどが本格的に参入し、15年に出荷台数700万台、16年には1000万台に上るという。国内ディスプレーメーカーも「スマートグラスはまずB2B市場で開花が見えてきた。その後B2C市場へ拡大するが、ジェスチャーや音声認識センサーなどがもっと進化した次世代品となるのではないか」と期待感を示している。これまで話題性だけが先行してきたヘッドマウントディスプレー(HMD)だが、市場が徐々に形成され始めている。

 IHS主席アナリストの李根秀氏によれば、Google Glassは数年に一度のプロダクトイノベーションになる可能性が大きく、スマホがデジカメやオーディオプレーヤーなどの機能を網羅し10億台超のアプリケーションになったような広がりが期待できるという。
 パネル各社がHMD用マイクロディスプレーの開発に注力するのは、こうしたポテンシャルへの期待感があるからだが、市場の拡大を不安視する向きも多く、話題先行でまだ漠然としているというのが実情だ。HMDはB2C市場で使用拡大が想定され様々な製品が試作されてきたが、Google Glassですら14年中と見られていた一般消費者向け販売が15年にずれ込む可能性がでてきた。どのようなシーンで使うかという絞り込みができないからだ。
 しかし、B2C市場を目指して筐体の軽量、小型化、ディスプレー性能の向上を図ってきたことで、最近はB2Bでの用途が明確になり、市場が形成され始めた。例えば、生産現場の各工程や、広大な倉庫で部品を収集する際の指示機として用いられ、医療現場でも手術道具を揃える一般スタッフへの指示ツールとして使用されている。建設現場でタブレットを代替する動きも出ている。「すでに使用状況を明確にして、ディスプレーの仕様を発注されるお客様も数件ある」(関連メーカー)という。

(以下、本紙2014年7月23日号1面)



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