国内電子部品、新増設案件は「東高西低」
コンデンサー投資が主役張る
国内の主要な一般電子部品メーカー30社の2023年度設備投資額は、前年度比13%増の1.2兆円規模が計画されている。これら30社を含む国内一般電子部品メーカーのうち、23年度以降に稼働を計画する国内の新増設・増強案件は、30件弱に上ることがわかった(図に記載がないもの含む)。また、岐阜県を境に東西でみた場合、約8割が東、約2割が西と圧倒的に東エリアに案件が集中しており、「東高西低」といえる状況だ。分野別ではMLCC(積層セラミックコンデンサー)をはじめとするコンデンサー投資が主役となっているほか、他の電子部品でもxEVなど車載向けの需要増に対応した投資案件が目立っている。
(以下、本紙2023年8月31日号1面)
自動車産業・部品
トヨタ自動車、中国で現地開発強化、知能化や電動化を加速
ZF、APの売上比率30%目標、新商用EV基盤は順調
SUBARU 4~6月期、販売台数は20%増加、通期計画は期初を維持
IT・半導体産業
東芝 D&S事業、通期業績を下方修正、300mm棟は24年度上期稼働
サンケン電気 4~6月期、車載・産機向け好調、後工程の増強準備を開始
新電元工業 4~6月期、営業利益が大幅減、上期見通しを下方修正
アレグロ、TMR企業を買収、磁気センサー事業を強化
STマイクロ 4~6月期、車載や産機向け堅調、SiCの案件や生産拡大
トランスフォーム 4~6月期、受注堅調で14%増収、エピウエハーも出荷好調
プリント回路・実装
国内基板3社 4~6月期、営業利益は全社減少、通期は期初計画を維持
加賀電子 EMS事業、メキシコに新工場、北米向け空調機器に供給
スキャンフィル、ポーランドに新棟、EMS事業を拡大へ
電子ディスプレー
DNP、脳科学企業を傘下に、XRの強化を加速
プレイナイトライド 4~6月期、請負増加で売上2.5倍、COCは13%増収
AUO、車載液晶が2割伸長、成長牽引役に位置づけ
電池・新エネルギー
Maxeon Solar、米国でPV新工場、生産能力は3GWを計画
東北大学、全固体電池を可視化、電極劣化の観察手法も開発
トリナ・ソーラー、西寧市の新工場稼働、最新のn型セルを生産
製造装置・材料・FA・ロボット
AMAT 5~7月期、売上高は横ばい圏、成熟ロジック投資が牽引
ガイアニクス、化合物基板業界に新風、エピ成長工程で独自技術
クリスタルIS、窒化アルミニウム基板、世界初の4インチ化
Exyte、ドイツ企業を買収、半導体インフラ分野拡大
産業用ロボット国内3社 4~6月期、ロボ部門の受注が減少、電池や中国投資に一服感
サーブ・ロボティクス、3000万ドルを資金調達、米国で配達ロボ拡大へ
一般電子部品
I-PEX、光電変換部品を開発、通信やロボ向け
米HDD2社 23年6月期、両社とも営業赤字に、出荷台数が大幅に減少
高知工科大学、異方の光輸送を発現、新規光デバイスに寄与
世界を目指す台湾ベンチャー (上)
態金はLMAで新プロセスを提案、大量科技は半導体で存在感強める
産官学のフューチャープラン No.328
青森県 第10回
インタビュー
(株)弘輝テック 専務取締役 小澤直行氏