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2014/7/16(2100号)主なヘッドライン
SiCパワーデバイス、車載「確約」で拡大一途
20年に8億ドル市場へ、ウエハー関連で新規参入も

 「2020年に実車搭載を目指します」。5月にトヨタ自動車がこうアナウンスしたことで、SiCパワーデバイスへの注目度が日増しに高まっている。一時は「車載に使う必要性はないのでは」という話も聞こえたが、確約によってこうした懸念は完全に払拭され、もはやSiCが適用できない用途は無くなったといっていい。最も高い品質と信頼性が求められる車載用途からお墨付きを得たことで、SiC周辺の装置や材料市場でも事業化競争が本格化しそうだ。

 調査会社Yole Developpementが5月に明らかにした予測によると、SiCパワーデバイス市場は、10~15年に年率平均26%で成長し、15年に約1.5億ドルに拡大。電気自動車(EV)/ハイブリッド車(HEV)向けの需要が数字として見えてくる15年からは年率平均39%成長に加速し、20年には8億ドル近い市場を形成する見込み。このうちEV/HEV向けは20年におおよそ2.5億ドルを占めると想定している。
 実車搭載計画を明らかにしたトヨタは、豊田中央研究所およびデンソーとダイオード&トランジスタを開発中。広瀬工場に4インチのSiC専用ラインを設置しているが、量産展開については、まずは自社生産から始め、その後はボリュームに応じて外部調達する方針。シリコンパワーデバイスと同様、全量を自社生産しない考えだ。
 供給拡大が期待できるデバイスメーカーにとって今後課題になるのが、トランジスタの量産だ。トヨタは現在、トレンチ型MOSFETの開発を進めているが、大面積チップの採用に伴う大電流化など、さらなる改善が必要と語る。絶縁膜の信頼性確保やエピ技術の向上といった課題も聞かれ、安定した量産化へのハードルは依然高そうだ。

(以下、本紙2014年7月16日号1面)



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