中国4G通信、スマホ買い替えを牽引
年末までに基地局58万基建設、1000元の4Gスマホ販売へ
2013年末から中国が開始した第4世代通信(4G/LTE)の基地局建設が加速している。中国最大手の通信キャリアのチャイナ・モバイル(中国移動通信)が先行し、LTE基地局は年末までに58万基を超える勢いだ。4Gユーザーは140万人程度とまだ少ないが、17年には4億人に拡大するとの予測も出ている。4Gへの乗り換え需要をにらみ、スマートフォン(スマホ)各社は1000元(約1.6万円)のLTE対応スマホを準備し、スマホ商戦に挑む。
中国政府は独自の携帯電話の通信規格として、第3世代(3G)通信ではTD-SCDMA、4G通信ではTD-LTEを開発して普及を後押ししている。
中国の移動通信関連企業などが参画する業界団体TDIA(TD産業連盟)によると、TD-SCDMAの通信基地局は13年、16.7万基増加(前年比59%増)して45万基に拡大した。TD-SCDMAの端末ユーザーは13年末に1.92億人に到達した。10~12月期に4350万台のTD-SCDMA端末が出荷され、中国の3G端末市場の52%を占めるまでになった。残りの48%は、海外の通信規格チャイナ・ユニコム(中国聯合通信)のW-DCMAとチャイナ・テレコム(中国電信)のCDMA200だ。これらを合わせた中国の3Gユーザーは13年に1.6億人増加し、ついに4億人に到達した。
中国の3G通信は導入開始から5年が過ぎ、やっと行き渡り始めたところだが、13年末に早くも4G通信のサービスを開始した。先進国では4G導入までに約10年の間隔を空けた国が多い。3G通信のインフラ建設費を回収しきれないうちに4Gに移行すると、通信キャリアの負担が増すからだ。
(以下、本紙2014年5月7日号1面)
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