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2013/12/18(2071号)主なヘッドライン
国内電機業界、車載部品・システムで復権へ
台数増と電装化で巨大市場に、Tier1との厳しい競争も

 国内電機・デジタル家電メーカーが自動車向けビジネスの拡大に本腰を入れ始めた。電気自動車(EV)・ハイブリッド車(HEV)などエコカーの売り上げが世界的に好調に推移していることに加え、先進運転支援システム(ADAS)など先端電子システムの搭載比率が高まっており、電機業界に絶好の追い風が吹いている。国内にはトヨタ自動車をはじめ、世界的な有力自動車メーカーが集積していることも強みだ。だが、そこにはデンソーなど1次サプライヤー(Tier1)と言われる企業が立ちはだかる。国内電機・家電メーカーにとって、自動車は失地回復の舞台になるのか注目される。

 各社の車載ビジネスに賭ける期待は大きい。中期経営計画のなかで自動車関連分野を最大の成長領域と位置づける。年率8~10%の安定成長を目指し、拡大戦略を描く。特にパナソニックは18年度に現在の2倍の売り上げを目論むなど鼻息は荒い。沖電気も次世代交通システムなどに200億円の投資を決めた。

■「自動運転」で火がつく
 世界の自動車市場は安定して伸びている。富士キメラ総研の調べでは、12年実績で8400万台強が売れている。16年には9800万台弱まで拡大する。単価の高い製品がこれだけ安定して拡大する市場は、そうあるものではない。
 トヨタや日産など国内外の自動車メーカーが本気で自動運転の実用化を打ち出した。基本技術となるADASを搭載した新車が人気を博し、2次電池とモーターや燃料電池といった動力源の変化で車の電装化比率が一気に上昇している。
 国内大手自動車メーカーは10年代半ば~20年前後をめどに自動運転を実用化する。トヨタは10年代半ばまでに高速道路での利用を想定してある程度、車が判断して運転できる車両を市場投入する。日産も自立型の自動運転車を20年には発売する計画だ。
 政府も国内産業の競争力向上へ、この自動運転を戦略研究の重要テーマの1つとして位置づけるなど、官民挙げての早期立ち上げに向けた環境整備が進む。
 リーマンショックの後遺症からいまだ立ち直れず、デジタル家電で韓国や台湾勢に完膚なきまでに打ちのめされた国内半導体・デジタル家電業界は、再起を賭けて自動車市場を本格開拓するうえで、またとないチャンスが目の前に広がる。

(以下、本紙2013年12月18日号1面)



◇ インテル、「全面開放」と外部委託も決断、ファンドリーで2大方針転換
◇ サンケン電気、米国で投資前倒し、8インチ第1期投資が完了
◇ HHグレース、200mmライン増強へ、1.5万枚の拡張を計画
◇ ジェネシス、洛陽に半導体工場、ウエハー企業と共同出資
◇ シノチップ、14年半ばに工場稼働、山東省でDRAM組立
◇ イーセル、バイアス電源装置、IC評価用に小型化
◇ CSR、無線IC戦略を説明、プラットフォームで差別化
◇ 独自モデル提唱のGF、組込フラッシュ・RFへ業容拡大、
  TSV製品も14年から量産
◇ インフィニオン 13年9月期、産業用低迷で減益、モバイル関連は6%成長
◇ メイコー 13年度、営業利益を下方修正、車載用基板でトップ目指す
◇ 上村工業 13年度、めっき薬品が好調、台湾で装置も製造へ
◇ 日本スペリア社、はんだ代替に採用、アルコナノ銀ペースト
◇ 北菱電興、金沢市に新工場 SMT工程集約
◇ 液晶パネル主要5社 7~9月期、全社が黒字に転換、工場稼働率の抑制強まる
◇ タカトリ、中小型タッチパネルの貼り合わせ特化、
  真空装置に強み、偏光板向けが好調
◇ イー・インク、新薄型パネル Fina発表
◇ TELとAMATが会見、技術革新で「300億ドルの殻破る」、統合チームも発足
◇ 住友電工、GaN基板を強化、低コスト化でLEDに活路
◇ キヤノンアネルバ、STT-RAM 量産用成膜装置
◇ EU、中国製ガラスに課税、最高税率は42.1%
◇ トリナソーラー、地元投資会社と合弁、500MWの新工場建設
◇ 中国の太陽電池メーカー、134社が基準満たす、保有設備能力の下限制限
  [PDF](中国政府が認定した政府基準に合格した中国の太陽電池リスト)
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