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2013/12/11(2070号)主なヘッドライン
PA/スイッチIC市場、Si系ウエハーへ移行加速
GaAs市場に逆風、LTE多バンド対応の切り札に

 スマートフォン(スマホ)など携帯電話向け主要RF部品であるパワーアンプ(PA)やスイッチICが大きな技術的転換点を迎えている。従来のGaAs(ガリウム砒素)からSOI(Silicon on Insulator)などシリコン系材料への置き換えだ。高集積化や低コスト化を狙ったシリコン系ウエハーへのシフトは以前からあったものの、スマホ市場におけるロー/ミドルレンジ領域の台頭を受け、2013年に入ってその移行スピードが一気に増した印象だ。LTEマルチバンド対応の切り札ともいえるシリコン系へのシフトにより、現行のウエハー材料であるGaAs市場は、大きな逆風に晒されている。

 もともと携帯電話用のPAやスイッチICは、効率や出力を考慮し、化合物半導体のGaAsが主に使われてきた。しかし、SOIやSOS(Silicon on Sapphire)などシリコン系ウエハーの性能向上と、スマホの低価格化に伴う部品コストの低減から、足元では急速に置き換えが進んでいる。なかでもスイッチICは13年に入り、SOIやSOSの割合が急速に増している。本紙の調べでは、13年の携帯電話用スイッチICの出荷個数はおよそ18億個。このうち、SOIの比率は38%、SOSの比率は16%と、実にシリコン系ウエハーが過半以上を占める状況となっていることが分かった。
 こうした流れはスイッチICメーカーやファンドリー、材料メーカーの動きを個別にも見てもうかがえる。国内では、ソニーや東芝がSOIスイッチの生産を本格化しているほか、タワージャズやマグナチップといったSOIファンドリーを手がける企業も生産能力の増強を積極的に進めている。SOIウエハー最大手Soitecの伊藤慶太・日本法人社長も「急速にRF向けSOIウエハーの出荷が増えており、CPUなどプロセッサー以外の売り上げ比率が5割に迫る勢い」と明かす。

(以下、本紙2013年12月11日号1面)



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