CMOSセンサー、中国スマホ市場で激戦必至
ローエンドでも高画素要求、OVTI、ギャラクシーコアが存在感
中国スマートフォン(スマホ)市場の主導権をめぐり、CMOSセンサー各社間の競争が激しさを増している。台数ベースでの成長に加え、ミドル/ローエンドスマホでも800万画素など高画素センサーの要求が予想以上に強いことが各社の意欲を駆り立てている。中国市場での事業拡大をにらみ、生産体制の見直し・刷新を図るところも相次いでおり、CMOSセンサー業界の動きは慌ただしさを増している。激戦必至の中国スマホ市場。CMOSセンサー業界の勢力図を大きく塗り替える可能性を秘めた各社の中国戦略を追った。
中国スマホ市場は2013年に前年比56%増の約3.2億台を出荷する見通しで、世界全体の約3割を中国が担っていることになる。中国では上海や北京などの都市部を除き、1000~2000元(約1.6万~3.2万円)の低価格スマホが主流だ。端末のローエンド化に伴い、搭載されるデバイスもそれに見合ったものになる。CMOSセンサー業界全体でも同様に、こうした懸念が以前からあり、500万画素以下の需要が過半以上を占めるだろうと考えられていた。
しかし、実際はこうした考えとまったく異なる方向へ市場は動いている。1000元クラスの格安スマホでも500万画素が当たり前に搭載されるなど、予想以上に高画素センサーへの要求が強いのだ。予想に反するこうした動きに「中国スマホ市場に対する見通しが甘かった」(国内CMOSセンサーメーカー)との声も聞かれ、各社は戦略の軌道修正を余儀なくされている。
背景には、中国人のライフスタイルが大きく関係する。中国ではスマホ1台で撮影機能を補完しようとする傾向があり、デジカメの需要は低い。「日本人と比べ物にならないほど写真を撮る機会が多い」と言われ、低価格スマホでもカメラ性能はハイエンドスマホ並みのものが求められる。
(以下、本紙2013年10月23日号1面)
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