混迷極めるリソグラフィー、既存技術の複合化で危機回避
NANDはリソ依存脱却へ
半導体産業の成長ドライバーである微細化技術の将来が混迷を極めている。微細化の中軸を担うリソグラフィー技術がEUV開発の遅れから、少なくとも2017年ごろまでは既存のArF液浸技術の延命化を図らなければならず、ArF液浸にDPT(ダブル・パターニング)やNTI(ネガティブ・トーン・イメージング)などの技術を組み合わせる複合技術で微細化限界という危機を回避しようとしている。さらに、3D-NANDのように、リソグラフィー技術に頼らない進化の道を模索し始めるケースも出てきた。ITRSロードマップも世代ごとのリソグラフィーツールの提案だけでなく、デバイス別に複合技術の展望を示すなどリソ技術は目前に迫る微細化限界を前に複雑・多様化している。
微細化の限界が危惧される最大の要因は、周知のとおり、EUV露光技術の開発遅延だ。光源の出力不足、マスクの低欠陥化、さらにはブランクスの検査・測定技術の確立など、課題は山積している。最大の課題である光源の高出力化もここ1年は大きな進展が見られない。現時点での平均出力も20W前後といわれ、時間あたりのウエハー処理枚数は5枚程度と、量産適用にはほど遠い状況だ。さらに、適用世代が10/7nmとなれば、NAは0.5以上必要となり、ミラー枚数は現状の6枚から8枚構成となる。ミラー枚数が増えることで、当然のことながら、光の減衰が起こり、さらなる高出力光源が求められるようになる。EUV適用はまさに茨の道といってよい状況だ。
(以下、本紙2013年10月16日号1面)
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