NANDフラッシュ、3D積層で新市場開拓へ
SSD市場狙いサムスンが先陣、設備投資はエッチ/成膜が主役に
NANDフラッシュ業界が大きな節目を迎えつつある。現行の微細化手法がいよいよ限界を迎えるなか、各社は次世代を見据え、メモリーセルを3次元方向に積層する3D-NANDに活路を見出そうとしている。こうしたなか、サムスンが生産開始をアナウンスし先陣を切ったことで、3D-NANDを巡る業界環境は大きく前進した。製造プロセスの確立など依然として課題は残るものの、大容量化と低コスト化を両立させる手段として、参入各社も技術開発に力を入れている。さらに、製造プロセスの変化に伴い、装置・材料業界も大きな影響を受けることになりそうだ。3D-NANDの現況と今後の将来性に迫った。
8月、韓国サムスン電子が業界をあっと驚かせた。同社の3D-NANDである「V-NAND」の生産を開始したと発表したのだ。あわせてV-NANDを組み込んだ960GバイトのSSDも発表しており、商用レベルにあることを内外に印象づけた。サムスンが生産を開始した3D-NANDのチップ容量は128Gビット。4Xnm世代の製造プロセスで24段積層することで、これを実現した。生産開始とアナウンスしているが、今回の発表はプロダクトサンプルとしての意味合いが強い。サムスンも14年後半からの本格商用化を見据えており、「1年がかりで市場に認知してもらう」(業界関係者)つもりだという。
サムスンは、この3D-NANDの主要ターゲットとしてSSD市場に狙いを定めている。まずは、より大容量が求められるサーバーなどのエンタープライズSSDが主戦場になるとみられ、その後は、巨大市場であろうパソコン向けクライアントSSDでの採用拡大に努めていく。
(以下、本紙2013年9月25日号1面)
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