水素インフラ、次世代エネルギーの中核に
電力貯蔵、ドイツで試験開始、地産地消がFCV後押し
エネルギー業界では今後、『水素』が強力なキーワードとして浮上しそうだ。まず「ポスト蓄電池」的存在として、水素を用いた電力貯蔵システムが注目を集めている。また、2015年以降に本格的な量産車が登場する燃料電池車(FCV)においても、水素を大量かつ安全に貯蔵する技術の研究が加速しているうえ、バイオマスによる水素の「地産地消」も提案されており、「水素社会」への動きが大きく加速する可能性を感じさせる。
水素を用いたエネルギー貯蔵システムは、再生可能エネルギーで発電した余剰電力を水素に変換して貯蔵する。電力不足時には、その水素を利用して燃料電池やガスタービンなどで発電するというものであり、蓄電池の強力なライバルとなりうるエネルギー貯蔵技術だ。出力容量はリチウムイオン電池の10~1000倍以上が可能で、なおかつ蓄電池に比べて長時間の蓄電も可能だ。水素の精製には水の電気分解を利用するが、これは水素と酸素を反応させて電気を取り出す燃料電池と反対の反応を用いる。
本格的な実用化はこれからだが、すでにドイツの大手電力会社E.ONが2013年6月から試験設備の運転を開始したほか、日本では東芝が精力的に研究を進めている。また、産業技術総合研究所(産総研)が14年に福島県郡山市に開設予定の再生可能エネルギー研究拠点においても、水素を活用したエネルギー貯蔵システムの実証プラントが建設されるもようだ。
(以下、本紙2013年8月28日号1面)
◇ BAMC、寧波に300mm工場を計画、15年半ばからPCM量産へ
◇ 中国のLED工場、設備過剰が改善へ、14年のMOCVD需要40%増
◇ クロスバー、大容量RRAMを開発、CMOS互換プロセスで
◇ マイクロチップ 14年3月期、投資は9000万ドル計画、新製品の増産に対応
◇ シルバコとセマテック、先進ツールを共同開発、FinFETに対応
◇ 国内電子部品メーカー 4~6月期、10社中6社が2桁成長、通期見通しは慎重姿勢
◇ マグナチップ 4~6月期、稼働率上昇し増収、ファンドリーとパワー好調
◇ ソウル半導体 4~6月期、営業利益率2桁に、照明比率3割まで上昇
◇ クリー 4~6月期、売上高 過去最高に、照明好調で次期も増収
◇ 東芝ホクト電子、擬似SoC量産へ、異種デバイスを集積化
◇ トレックス・セミコンダクター、コイル一体型DCコン、小型で高放熱を実現
◇ OSAT主要4社 4~6月期、四半期ベースで過去最高、スマホ減速で懸念材料も
◇ フジクラ 4~6月期、FPC事業 回復へ、タイ新工場が本格稼働
◇ 新光電気工業 4~6月期、サーバー好調で増収増益を達成
◇ サムスンとLG、中国工場の投資縮小、月産能力を半分以下に
◇ BOE、18年には10工場体制へ、重慶B8は8.5Gで14年立ち上げ、北京と成都は
6GでLTPSに
◇ イメージン 4~6月期、5四半期ぶり赤字、成膜装置立ち上げに遅れ
◇ AMAT 5~7月期、ディスプレー装置 受注額が高水準に
◇ 半導体製造装置 国内主要9社、装置受注高 5%増、ファンドリー投資に一服感
◇ 新川 4~6月期、売上高66%の大幅減、大型案件の納入に遅れ
◇ 大日本スクリーン製造 4~6月期、受注 予想を上回る、通期予想を上方修正
◇ 東京都、住宅用太陽光発電の導入加速、国内初のソーラー屋根台帳
◇ 米国PV企業 苦難の時代、アジア勢がCIGS技術獲得、ファースト・ソーラーが最後の砦
◇ 中国製太陽電池、EU反ダンピングを回避、最低価格と数量枠を規制