液晶パネル市場、「下期堅調」は幻に
テレビ用パネル、中国で在庫増、中小型ボリュームゾーンも軟化
「下期は堅調」がコンセンサスだった液晶パネル市況が変調し始めている。想定以上に稼働率が高かった上期の反動もあり、中国でテレビ用パネルの在庫が増加。堅調だったスマートフォン(スマホ)やタブレットの中国ホワイトボックス向けも需要が急落しており、下期は稼働調整を余儀なくされそうだ。出揃った主要パネルメーカー5社の4~6月期決算は2010年以来の好業績だったが、本来なら繁忙期にあたる下期に向けて市場環境は厳しさを増しそうだ。
「質問の趣旨は、中国のテレビメーカーが抱える在庫が多いという意味ですか、それともパネルメーカーの在庫のことですか」「みんなですよ」―。大手パネルメーカーの4~6月期決算カンファレンスでアナリストが中国市場での過剰なパネル在庫について質問したときのやり取りだ。
結局この問いに対し、パネルメーカーは「中国テレビメーカーのうち1ブランドが大量に在庫を抱えているが、当社の顧客は平均より少し高いだけ」と切り返したが、7~9月期のテレビ用パネルの売り上げは4~6月期比で横ばい~微減という見通しであることも明らかにした。
(以下、本紙2013年8月14日号1面)
◇ サムスン電子、3D NANDを実用化、来年は中国西安でも量産
◇ ルネサス、鶴岡、甲府工場など閉鎖、国内5拠点に集約も
◇ OSAT主要4社、13年投資は20億ドル、年初計画から上積み
◇ 堀場製作所、センサーの新工場、子会社工場内に生産集約
◇ ルネサス 4~6月期、2四半期連続で黒字、自動車や液晶駆動IC好調
◇ オリックス・リビング、介護補助機器の開発拠点新設、ロボットなどの実証を開始
◇ 富士通セミコン 4~6月期、大幅な増収増益に、再編は9月末までにめど
◇ サンディスク 4~6月期、前年同期比で利益10倍、世界市場でシェア向上
◇ 日中韓半導体輸出動向 1~6月期、日本 円安で4.6%増、韓国メモリー2桁増
◇ RFMD 4~6月期、純損益も黒字転換、次期は初の3億ドル超え
◇ IPCとJPCA、設計ガイドライン発刊、PE技術の普及に弾み
◇ 住友ベークライト 4~6月期、半導体封止材は増収、汎用品で中国市場開拓
◇ 三菱ガス化学 4~6月期、電子材料は増収増益、BTレジン材が牽引
◇ LGD、中国市場攻略を加速、有機EL 7月から装置搬入
◇ BOE、増資で460億元調達、新設3工場の投資資金に
◇ ダイセル、高屈折率樹脂を開発、有機EL封止用などに
◇ ラムリサーチ 4~6月期、メモリー好調で21%増、DRAM用 出荷倍増
◇ 日立ハイテク 4~6月期、電子関連27%減収、次期は10%減収を予測
◇ キャボット 4~6月期、CMP材料7%増収、パッド事業は14%増に
◇ サンパワー 4~6月期、営業黒字に転換、日米市場で販売好調
◇ ハナージー、米GSEを買収、CIGSで3社目に
◇ パナソニック、貝塚工場を再稼働、車載用小型LiBを増産