ミニマルファブ構想、年度内に装置利用率50%へ
MEMSデバイス試作に成功、待たれるCVD・イオン注入装置
「ミニマルファブ」は、0.5インチのウエハー、超小型の装置群を用いることで、1ラインあたりの投資額をメガファブの1000分の1程度に低減し、かつ多品種少量ニーズという巨大市場に柔軟に対応する生産技術だ。7月3日に開催された関連シンポジウムでは、ビジネスモデルについての提言がなされるなど、実用化に向けた期待値は非常に高い。一方で、多くの装置は試作機開発の初期段階にあり、イオン注入装置やCVD装置はこれからプロトタイプ機ができるというレベルにある。すべての装置が出揃うにはあと数年を要すると見られる。
■エンドユーザー重視を
半導体の世界市場は、リーマンショックから市場が大きくシュリンクした時期もあったが、ここ数年の出荷額は年間20兆~30兆円に達している。「ロジスティック曲線をフィッティングすると、29兆円が半導体業界の飽和値であると試算できる。つまり現在の半導体市場はすでに成熟期にある。デバイスメーカーは、その現状を十分に理解したうえで、ビジネス戦略を練っていく必要がある」と、(独)産業技術総合研究所ナノエレクトロニクス研究部門ミニマルシステムグループ長の原史朗氏は指摘する。
その成熟期にポイントとなるのは、ユーザー重視の姿勢だ。エンドユーザーの動向を見極めながら、顧客が必要なものを「必要な時に必要なだけ生産・提供する」、コスト・エネルギー・資源のムダを省いた変種変量生産での対応が強く求められる。
(以下、本紙2013年8月7日号1面)
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◇ 日立ハイテク 4~6月期、FPD装置は低調、2桁の大幅な減収減益
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