データセンター、投資再開に期待と不安
米系4社、投資意欲に温度差、新CPU効果は限定的か
クリックして拡大
メモリーをはじめとする半導体需要のカギを握るデータセンターの投資は足元で一服感が出ているものの、年末～年明けにかけて再開機運が高まっている。ただ、投資を牽引する米系4社のあいだでも、コロナ禍で投資スタンスに温度差が生じており、より個別企業の動向を把握する必要が出てきた。投資再開のきっかけとなりそうなインテルのサーバー用新CPUに関しては、性能面では顧客要求を満たしていないとの指摘もあり、置き換え需要を喚起する材料にならない可能性もある。期待と不安が入り混じるデータセンターの投資動向を展望する。
新型コロナの世界的な感染拡大に伴い、在宅／リモートワークの普及やインターネット通販の利用拡大、さらにはゲームやビデオストリーミングなどの視聴機会が増えたことで、年明け以降、データセンターの負荷が高まった。これに対応するかたちで、米系を中心とするハイパースケーラー各社は設備投資を拡大。加えて、コロナ禍や米中対立に伴うサプライチェーン上のリスク回避のために、メモリーを中心に在庫の積み上げが加速したことで、20年上期のデータセンター投資は予想以上の盛り上がりを見せた。
特にアマゾンとマイクロソフト（MS）の投資額が大きく増加しており、4～6月期はアマゾンが前四半期比2割増、MSが同5割増を記録した。一方で、グーグル、フェイスブックはコロナ禍による企業活動の停滞などから広告収益が急減。グーグルを傘下に持つアルファベットの4～6月期決算は前年同期比で2％の減収となり、上場以来、初めての減収に陥ったことが話題となった。広告に売り上げの多くを依存していた両社は、この事態を受けて設備投資のブレーキをかけており、大手4社でも明暗が分かれている。
（以下、本紙2020年9月24日号1面）
自動車産業・部品
古河AS、ベトナムに新拠点、アルミワイヤーハーネス
ボルグワーナー、同心軸変速機のiDM、フォード向けに生産
アルプスアルパイン、車載オーディオで技術提携を締結
IT・半導体産業
東京大学ら5者、技術研究組合を設立、先端半導体の開発効率化
ANSeeN、約11億円を資金調達、X線イメセンを量産へ
ナイトライド・セミコンダクター、除菌BOXを発売、全身を深紫外線LEDで
エヌビディア、400億ドルでアーム買収、各社のIP戦略に影響も
ブロードコム 8～10月期、2桁の増収を計画、ネットワーク関連が牽引
マーベルテクノロジー、TSMCと提携 5nm世代活用
プリント回路・実装
イビデン 電子部門、20年度売上を上方修正、高性能PKGは下期寄与
ユニオンツール 20年12月期、減収減益も中国回復、新型ドリル需要に期待
スミトロニクス、ベトナムに新拠点 売上100億円へ
液晶・ディスプレー
フォトロニクス 5～7月期、10.5G向け回復で増収、華為の再設計で一時混乱
早稲田大学、高い鮮色性を実現、液体材料系デバイスで
ファインマット、4～6月も営業赤字、中国向けマスク需要低迷
電池・新エネルギー
LEシステム、INCJが追加出資、福島に工場建設、21年稼働
LiB主要メーカー 4～6月期、コロナ、EV低迷で明暗、LGが急伸、パナら不振
東洋アルミ、米24Mと共同開発、次世代半固体電池
製造装置・部材関連・FA
光洋サーモ、大口径の縦型熱処理炉、PLPなどに拡販
半導体前工程ファブ投資、20年は8％増、メモリー投資が牽引、SEMI統計
大阪チタニウム、球状Ti合金粉末 専用工場を稼働
医療・航空・ロボット
コーネル大学、レーザー照射で歩行、微生物サイズのロボット
Root AI、720万ドルの出資獲得、収穫ロボの開発強化へ
産業用ロボ企業6社、新しい組織を設立 基礎技術を研究
一般電子部品
NKKスイッチズ、HMI高度化を追求、タッチパネル第3弾発売
大泉製作所、4～6月は営業損失、エレメントは5Gで増収
ホシデン 4～6月期、アミューズ関連の販売が大幅に増加
産官学のフューチャープラン No.235
茨城県 第14回、茨城大学
『一心千里』 ～走っていれば、見えてくる 永田 隆一 No.132
コロナ禍の閉塞感の中
日本半導体産業 激動の21年史（2000年～2020年） No.78
2014年（第5回）中国と台湾の動き急ピッチ
インタビュー
I-PEX（株） 代表取締役社長 土山隆治氏
ルネサスエレクトロニクス（株） オートモーティブソリューション事業本部 車載アナログプロダクトマーケティング統括部 統括部長 帰山隼一氏
沖プリンテッドサーキット（株） 代表取締役社長 森丘正彦氏
（株）チトセロボティクス 代表取締役社長 西田亮介氏
日本電波工業（株） 執行役員 営業サービス本部副本部長兼 営業企画部部長 竹内謙氏