キオクシア、10月6日に株式上場
時価総額2兆円以上に、利益率3割へ、顧客戦略がカギ
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NANDフラッシュメモリーで世界シェア2位、国内半導体で売上高2位のキオクシアホールディングス(株)が10月6日に株式上場する。時価総額は2兆円以上になると見込まれ、半導体メーカーとしては国内で過去最大規模の上場になる。これに伴い、親会社の東芝やベインキャピタルは保有株を段階的に手放す予定。変化の激しいメモリー市場で、日本で唯一の専業メーカーがいよいよ独り立ちの時を迎える。ただし、置かれた環境は競合が激しく、NAND一本足に頼らない戦略の早期構築も求められている。
上場決定に際し、キオクシアは新たに中長期の事業目標を掲げた。19年度は、NAND価格の低迷に加えて、同社においては主力生産拠点である四日市工場の停電などで業績が大幅に悪化したが、フラッシュメモリー市場は20年の560億ドルから24年には1060億ドルに拡大し、記憶容量ベースでも年率34%の成長が見込まれている。
このなかでキオクシアは、もともとシェアの高いモバイル機器用に加え、記憶容量ベースで年平均40%成長が見込まれるSSD(Solid tate rive)のシェア拡大に注力し、19年に10%だったシェアを中長期的に17%まで引き上げていく考え。この一環として、7月に台湾のLITE-Nテクノロジーの子会社Solid tate torage echnology orporationと関係会社の全株式を取得した。
設備投資に関しては、17~19年度の3年間の平均として売上高の34%を投じてきたが、四日市工場、北上工場での増強投資を継続しつつ、これを30%未満に抑制していく。20年度上期(4~9月)には約880億円の投資を予定しており、3D-ANDの第5世代にあたる112層BiCSの量産準備を整えていくが、下期には供給が需要を若干上回るとの予測もあり、市場動向を見ながら慎重に進めていく。
こうした施策により、過去3年間で平均22%だったNon-AAPベースの営業利益率を25~30%へ高め、より収益性の高い企業体質へと変革させていくつもりだ。
株式上場によって新たな船出となるキオクシアだが、同社を取り巻く環境は決して楽観視できるものではない。まずは同じメモリー分野のDRAMと比べて参入プレーヤーが多いことだ。
(以下、本紙2020年9月3日号1面)
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