中国FPD、液晶事業に再編の波
CSOTがCECの工場取得へ、BOEはWOLEDに食指
慢性的な生産能力過剰の状態にある液晶市場。韓国メーカーがテレビ用パネルの国内生産から撤退を決めたのに続き、再編の波は中国メーカーにも押し寄せている。CEC(中国電子信息産業集団)が傘下の液晶工場を売却して事業から撤退すると目されており、これが現実になれば、今後のシェア動向や設備投資計画にも影響が及びそうだ。
CECの液晶売却に関しては今春から噂が絶えなかったが、7月末にCECパンダの主要株主であるST東科(華東電子)が、保有する南京、成都の株式の一部を譲渡する予定だと発表し、噂を裏付けるかたちとなった。液晶パネル価格の続落で投資回収のめどが立たなくなったことが要因とみられる。
売却先に浮上したのは、中国FPD大手のBOE(京東方科技)とCSOT(TCL華星光電)だ。中国テレビ大手のTCL傘下にあるCSOTは、サムスンの蘇州工場に10%を出資しているため、サムスン蘇州の生産停止を受けて同工場を引き取る考えだと目されたため、当初はBOEがCECパンダの南京と成都を取得するのではと見る向きが強かった。
だが直近では、BOEによる買収交渉が頓挫し、CSOTがCECパンダの工場を軒並み取得する方向で交渉がほぼ確定した。ちなみに、サムスン蘇州は最低1年の生産継続が決まり、売却は来年に持ち越された。CSOTがCECパンダの南京と成都を取得することで、液晶パネルの生産能力でBOEとの差を縮め、競争力が高まる。
(以下、本紙2020年8月20日号1面)
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