電子材料ガス、コロナ禍でも需要堅調
半導体回復で成長期待、生産増強投資も継続
エレクトロニクスガス(電子材料ガス)は、半導体の微細化と積層化を背景に旺盛な需要が続いていたが、メモリー需要の低迷などで2019年は成長が鈍化した。ただ、足元では需要が急回復しており、新型コロナウイルスで世界経済が低迷する懸念はあるものの、ガス需要への影響は限定的との見方が強い。20年は半導体市場の回復に連動して、電子材料ガスも販売増が期待できそうだ。ガスメーカー各社は旺盛な需要に対応するため、国内外で生産能力の増強を進めている。
19年度は半導体需要の停滞などで、ガスメーカー各社の販売は低調だった。
昭和電工は、情報電子化学品(電子材料用高純度ガスなど)を含む化学品セグメントの売上高が前年度比0.6%増の1575億円だったが、情報電子化学品は半導体とディスプレー向けの生産調整に伴う需要減で、売上高は1割程度減少した。高付加価値製品の出荷減で減収となったが、全体の販売数量では大幅な落ち込みはなかった。
セントラル硝子、関東電化工業も19年度は販売が伸び悩んだ。セントラル硝子は半導体用特殊ガスなどを含むファインケミカルの売上高が同4.9%減の507億円だった。三フッ化窒素(NF3)事業の撤退で、特殊ガス関連製品の出荷が減少した。
関東電化工業は高純度ガスを含む精密化学品の売上高が同3.5%減の399億円だった。ヘキサフルオロ1,3ブタジエン(C4F6)は増収だったが、NF3、六フッ化タングステン(WF6)は減収だった。
(以下、本紙2020年7月9日号1面)
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