エレクトロニクス商社、業界再編の動き加速
技術・企画・提案力カギに、AIなど最先端精通も必須
エレクトロニクス商社業界では今、規模拡大に向けた再編の動き、商材の販売・サポートのみならず、自らメーカー機能さながらの技術を含めた企画提案型商社への脱皮を目指す動きが活発化している。また、もともと国内系と称されていた商社各社がグローバル展開へ乗り出す動きも出てきた。こうしたなか、規模のメリットを活かす商社、規模は追わず収益力向上を目指す商社など、各社の個性がより鮮明になりつつある。
直近数年で目立った動きとなっているのは、半導体メーカー主導による代理店契約の解消や他の商社への販権シフトだ。国内半導体メーカーでは、ルネサス エレクトロニクス系で2020年6月に系列商社2社との特約店契約が解消。ソニー系では、19年4月のUKCホールディングスとバイテックホールディングスの経営統合でレスターホールディングスが誕生し、ソニー系商材の販社機能がレスターに集約される方向性が鮮明になっている。
外資系メーカーでも、テキサスインスツルメンツ、ブロードコムの販権を持つ各商社で20年内に販売特約店契約解消事案が存在する。また、半導体メーカー同士の合併が各商社の販権に影響するケースもある。例えば、17年3月にアナログ・デバイセズのリニアテクノロジー買収に伴う販売特約店の選別、20年4月にインフィニオンのサイプレス買収完了に伴う販売特約店の選別が半導体メーカー主導で実施された。さらに、サムスン電子系商材でも、18年10月にトーメンデバイスへ丸文セミコンの日本サムスン商材の販売特約店事業譲受が行われた。
(以下、本紙2020年6月25日号1面)
自動車産業・部品
マグナ 1~3月期、売上高は18%の減少、コロナで11億ドル悪化
ボッシュ 年次会見2020レビュー、19年は日系OEM向け2桁増収、側方レーダーで安全性向上
コンチネンタルグループ 1~3月期、設備投資4.8億ユーロ、研究開発費は1%増
IT・半導体産業
京都セミコンダクター、恵庭市で新棟整備、光通信用半導体を増産
村田製作所と帝人フロンティア、圧電繊維で合弁設立、発電で抗菌機能を付与
マクセル、LPWA対応のIoT電源、防災分野向けに展開
サムスン電子、平澤でNAND増産、21年下期に新ライン稼働
ブロードコム 5~7月期、売上高4%増を予想、iPhone用は期ずれ
プリント回路・実装
長電科技、21年に稼働開始、紹興市の後工程新工場
ロジャース 4~6月期、売上高は約2億ドル、車・スマホ向けが低迷
加賀電子、旭東電気の再生支援、9月に事業承継を予定
液晶・ディスプレー
LG化学、偏光板事業を売却、中国の杉杉グループに
CSOTとサンアン、ミニ/マイクロLED技術、共同研究会社を設立
三菱電機、液晶事業を終息へ、22年6月に生産終了
電池・新エネルギー
LiB主要メーカー7社、1~3月は売上不振、季節要因やコロナが影響
WSUとPNNL、新型NaiB開発、LiB同等のエネ密度
カナディアン・ソーラー、1~3月は増収増益、モジュール出荷が大幅増
製造装置・部材関連・FA
平田機工、新工場が8月稼働、半導体関連設備など生産
メルク、半導体材料で新体制、M&Aで事業領域拡大
日本ガイシ 20年度、装置用部品は2割増、SAW複合基板も拡大
医療・航空・ロボット
重工メーカー 航空宇宙関連部門 19年度、売上高は5%増、20年度は大幅減に
日機装、宮崎工場に研修施設、最新医療設備を配置
オムロンヘルスケア、松阪に新ライン 電子体温計増産
一般電子部品
ヒロセ電機 20年度、6%の減収予想、自動車は20%減の見通し
国内コンデンサー企業5社 19年度、売上高は5%減少、日本ケミコンが損失計上
日本電波工業、NSD株を一部譲渡、中国企業とSAW合弁化
SMK、3年連続の赤字に、20年度は黒字回復予想
産官学のフューチャープラン No.225
茨城県 第4回、日立化成 先端技術研究開発センタ
日本半導体産業 激動の21年史(2000年~2020年) No.68
2012年(第3回)シリコンシーベルトの重要性
インタビュー
東芝デバイス&ストレージ(株) 代表取締役社長 佐藤裕之氏
(株)SIMMTECH GRAPHICS 代表取締役社長 李珍煥氏
(株)マクレーン 代表取締役 林克宗氏
イグニション・ポイント(株) 代表取締役社長兼CEO 青柳和洋氏
半導体商社特集
コアスタッフ(株)/(株)グローセル/クロニクス(株)/(株)立花エレテック/(株)マクニカ/丸文(株)