次世代半導体のキープロセスに、BSI型CISで環境一変
TSVの浮沈が今後のカギ
半導体製造において、ウエハー接合工程が大きな注目を集めている。従来はMEMSやSOIウエハーなどニッチ市場に用途が限られていたが、裏面照射型(BSI)CMOSイメージセンサー(CIS)の登場を契機に環境が一変している。今後もパワー半導体やLED向けに採用が期待されるほか、3次元パッケージ技術のTSV(シリコン貫通ビア)が業界浮沈のカギを握る。また、市場拡大の期待感から装置メーカーのあいだでは同分野への新規参入も相次いでいる。次世代半導体製造のキープロセスとされるウエハー接合工程の最新トレンドを追った。
ウエハー接合工程は従来、ごく限られた市場に適用されていた。代表的なものがMEMSとSOIウエハーだ。MEMSではデバイスを作り込んだシリコンウエハーとキャップウエハー(ガラスなど)を接合する際に使われており、現在もウエハー接合における主要アプリケーションだ。
しかし、2010年以降、BSI型CISの登場により、ウエハー接合工程を取り巻く市場環境は大きく変わっている。BSI型CISは現在、スマートフォンなどのモバイル端末向けのカメラではもはや標準的に搭載されており、モバイル用CISの主流となっている。周知のとおり、BSI型はフォトダイオードと配線層の構造を逆転させることで入射光をより多く取り込むことができ、高感度化に適している。製造工程では支持ウエハーを貼り合わせる工程が必要となり、ここにウエハー接合技術が採用されている。
(以下、本紙2013年5月22日号1面)
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◇ 住友ベークライト、LαZ 売上高100億円へ、新ライン稼働で競争力強化
◇ サムスンディスプレー蘇州工場、来春5万枚体制に、7~9月期から装置導入
◇ サムスン西安工場、14年初頭に量産へ、3D-NAND生産を検討
◇ 旭化成 13年度、電子関連投資横ばい、後工程ライン移設など
◇ 新日本無線、13年度投資24億円、タイで新工場着工
◇ インフィニオンとGF、マイコン生産で提携、ドイツとシンガポールで生産
◇ SMIC、28nm装置導入へ、北京と上海が候補に
◇ ルネサス 13年度、通期予想開示せず、8四半期ぶりに黒字転換
◇ 富士電機 13年度、半導体9%増収へ、海外生産拡大で黒字化
◇ アクセル 12年度、営業利益2.7倍に、13年度はリユースで減益に
◇ 丸文 12年度、メモリー不振で減収、FAE部門さらに強化へ
◇ セイキ・デジタル、米国で低価格4Kテレビ、早くもインチ3000円が登場
◇ 工場ルポ/上海華力微電子有限公司、40~28nm対応装置を追加、
日本人の設計技術者を採用
◇ 最新スマホ実装技術に見る“日米連合”、9軸モーションセンサー搭載、
米社が初の1パッケージ化
◇ イビデン 13年度、電子部門投資 22%減、ライン共通化が主軸
◇ サムスン電機 1~3月期、ACI部門は低迷、部品内蔵基板が増収に
◇ LGディスプレー、広州工場の整備加速、稼働予定を前倒しか
◇ シャープ 12年度液晶事業、赤字幅 下期に圧縮、13年度は黒字300億円に
◇ 天馬微電子、上海に有機EL工場、14年半ば立ち上げ計画
◇ 大日本スクリーン製造 12年度、半導体、FPDともに赤字、収益改善へ固定費削減
◇ ラムリサーチ 1~3月期、メモリー回復で増収、台湾向けの出荷増
◇ 東京応化工業 13年度、ArF拡販で増収、PKGなど新材料も牽引
◇ ファースト・ソーラー 1~3月期、前年同期比5割増収、通期で利益4億ドル超想定
◇ シャープ 太陽電池事業、9四半期ぶり黒字、13年度は通期黒字化へ
◇ 昭和シェル石油 1~3月期、太陽電池事業は黒字、売上高2.7倍に
◇ トクヤマ、第1期は9月稼働、マレーシア新プラント