ヘッドアップディスプレー、15年に300万台超え
高級車から中級車へ搭載拡大、プロジェクション技術の応用進む
BMWなどの高級車にワンランク上のドライブサポートシステムとしてヘッドアップディスプレー(HUD)の搭載が拡大している。実際に搭載車を試乗してみると、運転中にスピードメーターやカーナビシステムに視線を移すことが、いかに危険かが実感できる。2012年の市場は100万台規模にとどまるが、「安心・安全」な運転に不可欠な技術として、今後は大衆車にも採用が拡大する。HUDには2インチ以下のマイクロディスプレーが使われており、現在は国内パネルメーカーが主に供給しているが、台湾勢も参入に意欲を見せる。市場の拡大とともに、こうした構成部品の動きも注目されるところだ。
■熾烈な開発競争
HUDは、自動車のフロントガラス越しの前方2.5m程度の位置に、スピードなどの運転に必要な情報を実際の風景に重ねて表示する。視線を大きく動かすことなく、瞬時に必要な情報を得ることができる。
もともとは戦闘機のコックピットでパイロットに効率的に情報を提供するための表示技術として開発されたものだが、1988年に初めて自動車に搭載され、90年代後半からは高級車を中心に搭載車種が拡大。今後は中級車から大衆車などにも普及していくものと期待される。
現在の主流は、1.3~1.8型のTFT液晶(LEDバックライト)の映像を、複数のミラーを介してフロントガラスに映し出している。ティア1と呼ばれる日本精機(株)、矢崎総業(株)、(株)デンソー、ジョンソン・コントロールズ社やコンチネンタル・オートモティブ社などが熾烈な開発競争を繰り広げている。
(以下、本紙2013年4月10日号1面)
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◇ TSMC 1~3月期、設備発注額6%減、4月以降は減少傾向か
◇ GF、プロモス300mm取得、シンガポール工場に移管
◇ ジェイデバイス 13年度、投資は100億円計画、WFOPなど新PKGに
◇ JSTグループ、新メモリーの開発提言、データの超長期保存に
◇ パナソニック 中期計画、TV・半導体の止血に全力、車載分野を成長事業に
◇ 東芝、13Mで業界最薄、CISモジュール開発
◇ IQE 12年度、下期の売上 過去最高、エピ好調で通期17%増収
◇ ウィンセミコン 12年業績、売上高26%の高成長、GaAsファンドリー好調
◇ タブラ、3PLDに新製品、高性能パケット処理用に
◇ マイクロン 12~2月期、DRAM改善で赤字縮小、イノテラ調達拡大が寄与
◇ NTTエレクトロニクス、ブロードコムと提携、100G DSPを共同展開
◇ 宇部マテリアルズ、MgO分散液を開発、塗布で均質な成膜可能に
◇ フルヤ金属、超高温用の熱電対、SiC基板などに販売
◇ 芝浦メカトロニクス、次世代マスク用 エッチング装置
◇ YJC SiCパワーモジュール、新PJの会員募集、国内材料企業の集積目指す
◇ 三井ハイテック 13年1月期、電子部品が増益に、今期は後半回復期待
◇ 新川、タイ新工場で生産を開始
◇ TPVテクノロジー 12年業績、TV拡販で増収増益、13年は「スマート化」強化
◇ サムスン蘇州8.5G、初期導入量を縮小、月産2万枚弱でスタート
◇ 積水化成品工業、光拡散微粒子を開発、ブルーライトを抑制
◇ 主要太陽電池メーカー、12年度も軒並み赤字、中国勢は大幅減収
◇ 三菱自動車、車載用LiBで発火事故、電池ライン変更が影響か
◇ BYD、LiB投資を半減、13年は約23億円に
◇ 長泓能源科技、年内に新工場完成、LFPO正極材LiBを拡販